膝裏に触るとコリコリした袋が出来そこに関節液(滑液)が溜まるものをベーカー嚢腫(のうしゅ)といいます。
メモ
嚢腫と聞くと怖いもののように感じますが、嚢腫の嚢は袋という意味があり、膝裏に出来た袋の腫れを発見したベーカーさんの名前が付き、ベーカー嚢腫といいます。(またの名を膝窩嚢腫ともいいます。)
どこに出来る?
- 半腱半膜様筋腱と腓腹筋内側の間の滑液包が炎症し腫大(滑液包炎)したものや滑液包に滑液が流入し肥大したものがある。
- 膝裏内側が好発部位です。
- 関節腔との交通が認められるものが40~60%ある。
滑液包は
液体の詰まった小さな袋で、腱の下に存在していることがあり、腱の衝撃を吸収して損傷から守っています。
女性に多いと言われていましたが、老若男女関係なく出来ます。小学生でも出来ている子はいます。
原因は?
変形性膝関節症・半月板損傷・関節リウマチなど膝の疾患を抱えている方はベーカー嚢腫は出来やすいです。
姿勢や関節可動域が原因
膝の可動域は通常やや過伸展するくらいが良いのですが、ベーカー嚢腫が出来やすい人は完全に膝が伸びきらない状態の人に多いです。膝が伸びきらないことで腱の伸長性が損なわれ滑液包に負荷がかかります。
メモ
膝関節が伸展しないということは足関節や股関節もやや屈曲し腰や背中の丸まりも生じている人にベーカー嚢腫が出来やすいということになります。
出来るとどうなる?
ベーカー嚢腫自体は痛みを伴わない場合がほとんどないですが、膝関節を動かす事で膝裏の引っかかり感や痛みを伴う人がいます。
メモ
最近膝の動きが悪いと感じる場合にはベーカー嚢腫があるかもしれません。
対処法は?
まずは、保存療法で対処していきましょう。
膝関節の可動域の低下が一番の問題となり得るため、正常な可動域を意識したストレッチ法などの運動がおすすめです。
当院では
カチカチに固まっている嚢腫の方が多いです。固まることで膝関節に影響を与えてしまうので、膝窩に近赤外線を照射し、膝窩を柔らかくしていきます。関節腔と繋がっている為に滑液や関節動きを良くしてあげることで、膨らみは小さくなります。
ベーカー嚢腫におすすめのストレッチ
ベーカー嚢腫は膝の可動域が低下と関連が高いため、ベーカー嚢腫の改善にもストレッチがおすすめです。特に膝の裏がしっかり伸びるようにストレッチをかける方法で膝全体をすっきりと整えていきましょう。