「肉離れを治すための治療論理と技術は、他のすべての疾患にも応用でき、あらゆる痛みや不調の改善につながります。」
肉離れの基本理解
肉離れ(筋繊維の肉離れ)は、筋繊維が損傷することによって発生します。
主な原因は筋繊維の弾力性の低下であり、筋繊維が適切に修復されない場合や、筋繊維が癒着を起こした部位で過度な負荷が加わると、肉離れを発症します。重度の場合には広範囲に損傷し、軽度の場合には部分的な損傷や筋肉痛として現れます。
肉離れの発生原因には、筋繊維だけでなく、周囲の組織の弾力性の低下も関与しています。
そのため、以下の組織の状態や特徴を理解しておくことが重要です。これらの組織の状態が痛みや疾患に影響を与えるため、各組織の基本的な特徴を知っておくと良いでしょう。
- 腱: 筋肉を骨に固定する組織です。
- 靭帯: 関節を支える結合組織です。
- 関節: 骨と骨を繋ぐ部分で、動きの支点となります。
- 神経: 筋肉と脳をつなぐ伝達経路で、感覚や運動指令を伝えます。
- 骨: 筋肉が付着し、運動を支える場所です。
- 滑膜: 関節内の潤滑を行う膜で、動きをスムーズにします。
- 滑液: 関節内を潤滑し、摩擦を減らす液体です。
肉離れの原因とメカニズム
弾力性低下が肉離れを発症するメカニズムは、筋繊維の弾力性が低下すると、筋繊維が摩擦に耐えられなくなり、損傷します。
この摩擦の抵抗には、先ほどの各組織の基本的な特徴を理解する必要があります。摩擦抵抗が強い場合、筋繊維や細胞はより多くのエネルギーを必要とします。例えば筋繊維に癒着を起こしている場合には、その部分は摩擦抵抗が強くなります。
肉離れのメカニズムを理解するためには、以下の要素を把握することが重要です。
弾力性の喪失
- 筋繊維の弾力性が低下する原因
- コラーゲン生成と筋ポンプの役割
筋繊維の弾力性が失われると筋肉が伸縮に対する耐性を失い損傷しやすくなります。(摩擦力、抵抗力が増加します。)コラーゲンの生成や筋ポンプの再生を促進することで血液の交換がスムーズになり弾力性を回復できます。(コラーゲンは潤滑性を良くします。)
摩擦の増加
- 硬くなった組織による摩擦の増加
- 神経や血液循環との関係
筋繊維や周囲の組織が硬くなると摩擦が増加し、筋繊維にかかる負荷が大きくなりますが、これは神経による筋緊張の増加、筋繊維の硬結、血液循環不良によるむくみ、関節周囲の滑膜性や腱の異常な可動性などによって引き起こされます。(そのため、肉離れを起こしやすい人に腰痛持ちが多く神経の圧迫が関連が考えられます。)
エネルギー供給の重要性
- ATPの生成とその影響
- ミトコンドリア、神経伝達、自律神経の役割
エネルギー供給が不足すると筋繊維の修復が遅れ損傷が悪化する可能性があり、これはむくみの増加により浸透圧が低下しエネルギー生成が困難になるためで、ATPの生成には酸素が必要であり、ミトコンドリアでのATP生成や神経伝達、自律神経の役割が関与します。(筋線維周囲にむくみがあると、筋線維は細胞のエネルギー供給が不足し、細胞は壊れやすくなり、肉離れを起こしやすくなります。)
治療の基本と改善のポイント
肉離れの治療は、基本理解や原因、メカニズムを把握し、それらを改善することで(自然治癒力)癒しのエネルギーを高め、治癒を促進させることが重要です。治癒期間は個人の状態や年齢により異なりますが、肉離れの発症には複数の要因が重なっているため、単なる筋肉の修復にとどまらず、競技復帰を目指した総合的なアプローチが必要です。
治癒のための基本的アプローチ
自分でできる初期対応としては、以下のポイントを守ることが大切です:
- 安静にしすぎない(固めない): 適度な動きを保ち、過度な安静は避けることが必要です。
- アイシングを行う: 冷却により炎症を抑え、痛みを軽減します。
- 関節の動きの確認: 関節の可動域をチェックし、動きが損なわれているかで重症度を判断します。
肉離れの治療と痛みが必要な理由
肉離れの治療期間は一般的に3〜4週間とされていますが、個人の状態により大きく異なります。重症の場合、組織が安定するまでに時間がかかることがあります。肉離れに特効薬は存在しませんが、治癒を促進するためには、先ほど説明した弾力性の回復をうながすためのアプローチが有効です。
そこには細胞のATPや浸透圧差を利用し、生理的なエネルギーを促進させることが必要で、当院では、「癒しのエネルギー」(自然治癒力)と呼んでいます。
自然治癒力のスイッチを入れるには、「痛み」の働きを利用し感覚知覚により身体の状態を脳に知らせることで、脳はそこに必要な働きを集約することが出来ます。
痛みは、身体が脳に状態を正確に伝えるための重要な信号です。
知覚や感覚神経を通じて、問題のある部位を脳に知らせ、そこに何らかの損傷があることを認識させます。そのため、過度に安静にすることは逆効果となる場合があります。安静にしすぎると、脳が身体の状態を正確に把握できなくなり、癒着した筋繊維を修復済みと誤認する可能性があります。その結果、再度肉離れが発生しやすくなります。
肉離れの治癒を促進するためには、知覚や感覚神経を活性化し、自律神経の働きを利用して細胞レベルでのエネルギー交換を促進することが重要です。これにより、身体の自然治癒力を引き出し、筋繊維の修復を進めることができます。
リハビリにおいては、適度な負荷をかけながら筋繊維の弾力性を回復させ、周辺組織の機能を正常化させることが求められます。
治癒の状態と競技復帰の目安
競技復帰に向けた治療は、肉離れが発生した時点で身体に潜む多くの要因を改善するプロセスでもあります。
これらの要因を取り除くことで、より効率的に身体を動かすことができ、結果的に競技力の向上にもつながります。まさに「災い転じて福となす」と言えるように、痛みは身体からの重要なサインであり、それを正しく受け取ることが大切です。
身体は常にシグナルを発していますが、多くのアスリートはちょっとした痛みのシグナルを無視し、競技を続けてしまいます。たとえ一時的に痛みが引いたとしても、それは治癒したのではなく、単に痛みを感じなくなった、つまり組織が癒着した可能性(鈍感)や細胞の膨張(むくみ)があります。痛みがなくなったと思って再び競技を続けると、隠れた損傷が再発しやすくなります。
このため、身体のシグナルに早めに気づくことが、ケガの予防や重症化を防ぐカギとなります。しかし、自分自身でその状態を完全に把握することは難しく、どれだけ優れたアスリートも同様です。視診・問診・触診により身体の状態を確認してもらうことで、適切なケアが可能になります。
身体の変化や痛みに敏感になり、それを正しく対処することが、競技復帰と競技力向上への最短ルートです。
当院でのアプローチ
当院では、光の照射により回復を促す施術を行います。
光の照射によりミトコンドリアを活性化し、筋繊維の弾力性を向上させています。これにより、代謝が高まり、血液循環を改善し、自然治癒力が正常に働くように手助けします。また、癒着が起こらないように、繰り返し痛みに対する感覚を活性化させながら筋肉に伸張性(ストレッチ)を加えた施術を施します。これにより、早期改善だけでなく、再発予防にもつなげることが可能です。
肉離れの照射例動画
倍速で再生されていますが、筋線維を伸ばしながら照射することで弾力性が回復し代謝血流が促進されます。明らかに弾力性が低下している部位に対して、しっかり時間をかけることで、確実に弾力性を回復させ、組織の回復力を高めることが目的です。
受傷部位をしっかり触診し、的確に照射し、施術頻度を上げることでより治癒を促進させ、競技復帰を早めたり、競技力が向上するような施術を行います。
7. よくある質問
- ストレッチはしてもいいですか?
- RICE処置は効果的ですか?
- 肉離れの治療中に運動を再開しても大丈夫ですか?
- どのくらいの期間で治りますか?
- 温めた方がいいですか?それとも冷やした方がいいですか?
- 再発防止には何が効果的ですか?
- テーピングやサポーターを使用した方がいいですか?
- 肉離れ後にどのようなリハビリを行うべきですか?
- 痛みがなくなったらすぐにスポーツを再開しても良いですか?
- 筋肉が硬い状態でも治療を受けられますか?
- 肉離れの予防にはどんなトレーニングが有効ですか?
- 再発を防ぐために普段から心がけることはありますか?
- スポーツをしている時に肉離れの兆候に気づいた場合、どう対応すればいいですか?
肉離れについて多くの人は勘違いしています。それは、医師や施術者も同様に。当院は今まで肉離れを治すために尽力し、肉離れについて正しい答えをもっています。
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