
お子さんの「歩けるけど痛い」ふくらはぎ、心配ですよね
こんにちは、くまのて接骨院です。
部活動や体育の授業などで、お子さんが「ふくらはぎが痛い」と訴えることがあるかと思います。「歩けるくらいだから軽い肉離れかな?」「少し様子を見れば治るだろう」そう思われる親御さんも多いかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?
「歩けるけど痛い」という症状は、実は非常に判断が難しく、単なる筋肉の問題ではない可能性も潜んでいます。特に、スポーツを頑張る高校生のお子さんの場合、その痛みの裏には、見過ごしてはいけない原因が隠れていることも…。
この記事では、長年の臨床経験に基づき、「歩けるけど痛いふくらはぎ」について、安易に自己判断するリスクと、本当の原因を見極めることの重要性、そして適切な対処法について、体の仕組みにも触れながら分かりやすく解説していきます。
お子さんの大切な体のため、そして充実した学校生活のために、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
まず確認したいこと:「本当に肉離れ」ですか?
「歩けるけど痛い」という訴えを聞くと、多くの場合「軽度の肉離れ」を想像するかもしれません。しかし、専門家が見ると、「これは肉離れではなく、別の原因がありそうだ」と感じるケースが実は少なくありません。
専門家でも見落としがちな「原因特定」の重要性
残念ながら、医療機関や他の整骨院などでも、痛む場所だけを見て「筋肉の問題ですね」と判断されてしまうことがあります。しかし、痛みの原因を正確に特定しなければ、適切な対処はできません。間違ったケアは、回復を遅らせるだけでなく、将来的な再発や、他の不調に繋がる可能性すらあります。
肉離れなら「これ」があるはず!見極めのポイント
筋肉が本当に切れたり損傷したりしている「肉離れ」であれば、筋肉組織や周辺の血管もダメージを受けているはずです。
👉筋肉は血流が豊富な場所なので、特徴的なサインが現れます。
- 内出血
皮膚の下に青あざのような内出血が見られますか?
(軽い場合は分かりにくいこともあります) - 腫れ・張り
痛む部分がパンパンに腫れて、内側からの圧力を感じるような「張り」がありますか?
もし、これらのサインが明確に見られず、触ってみると筋肉自体は意外と柔らかい、あるいは単に「硬く緊張している」だけのように感じる場合は、安易に肉離れと決めつけず、他の原因を疑う必要があります。
もしかして「神経痛」? 腰との意外なつながり
筋肉に明らかな損傷のサインが見られない場合、次に考えたいのが「神経痛」の可能性です。
なぜふくらはぎが痛むのに「腰」が関係するの?
ふくらはぎの感覚や動きを支配している神経は、背骨、特に腰椎(腰の骨)から出ています。

腰の部分で神経が何らかの理由で圧迫されたり、炎症を起こしたりすると、その神経が担当しているふくらはぎに痛みやしびれとして症状が現れることがあるのです。これを「関連痛」と呼びます。 驚かれるかもしれませんが、本人は腰に全く痛みを感じていなくても、座り方の癖や姿勢の問題、スポーツでの負担などによって腰に負担がかかり、それが足の神経症状として現れることは、特に成長期の高校生などにも珍しくありません。
これは、体からの「腰に負担がかかっているよ」という初期のサインかもしれません。
神経痛を疑うサイン:むくみや両足の症状
足のむくみ
特に、ふくらはぎのむくみが強い場合、それは腰部の神経の問題が悪化しているサインである可能性があります。むくみ自体が血流を悪くし、痛みを増強させる要因にもなります。
両足の症状
筋肉痛は片足だけのことが多いですが、腰由来の神経痛の場合、両足に症状が出たり、左右交互に出たりすることもあります。(もちろん片足だけの場合もあります)
「筋肉の質」も関係? なぜ痛めやすくなるのか
そもそも、なぜふくらはぎを痛めやすくなるのでしょうか?
単に「筋肉が弱いから鍛えればいい」と考えるのは早計かもしれません。
筋肉にも「質」がある?悪質な筋線維と良質な筋線維

実は筋肉の線維にも「質」があります。血流が悪く、柔軟性を失い、硬くもろくなっている「悪質な筋線維」は、ちょっとした負荷でも切れやすく、肉離れの原因となります。
一方で、しなやかで血流の良い「良質な筋線維」は、負荷がかかっても簡単には切れません。
また、腰の問題などで神経の働きが悪くなると、筋肉が十分に神経伝達されず、萎縮して質が悪くなる「神経性の萎縮」という状態に知らず知らずのうちになることもあります。
ふくらはぎの痛みは「根本原因」へのサイン
つまり、ふくらはぎに痛みが出たということは、単にその部分だけの問題ではなく、「なぜそこの筋肉が弱くなったり、神経が影響を受けたりしているのか?」という根本的な原因を探る必要がある、という体からのサインなのです。間違ったストレッチや、過度なマッサージで筋線維を傷つけている可能性も考えられます。
どうすればいい? 原因に応じた正しいアプローチ
原因が違えば、当然対処法も異なります。
もし本当に「肉離れ」だったら?
筋肉の損傷が明らかな場合は、初期の炎症を抑えるためのアイシングが重要です。

そして、癒着を防ぎ、筋肉の弾力性を回復させるための適切なストレッチやリハビリが必要になります。ただし、自己流は禁物です。専門家の指導のもと、段階的に進めることが大切です。(当院では、早期回復と再発予防のために、アイシングやストレッチに加え、筋肉の弾力性を高めるアプローチも重視しています。詳しくは【肉離れの基本記事】をご参照ください。)
もし「神経痛」が疑われたら?
この場合、ふくらはぎの筋肉へのマッサージやストレッチは、ほとんど意味がないか、場合によっては逆効果になることもあります。重要なのは、神経の圧迫や炎症を引き起こしている根本原因(多くは腰部)へのアプローチです。腰への負担を軽減する姿勢指導や、腰部の血流・神経伝達を改善する施術などが中心となります。
当院の臨床経験でも、腰部へのアプローチだけで、ふくらはぎの痛みが劇的に改善するケースは数多くあります。
まとめ:お子さんのために、まず「原因」を知ることから
「歩けるけど痛い」ふくらはぎの症状。それは、単なる筋肉痛や軽い肉離れではなく、神経の問題や、体の使い方、姿勢の問題が隠れているサインかもしれません。大切なのは、安易に自己判断せず、まずは痛みの本当の原因を特定することです。
原因が分かれば、適切な対処法が見えてきます。そして、それはお子さんが安心してスポーツに打ち込んだり、健やかな学校生活を送ったりするための第一歩となるはずです。くまのて接骨院は、その原因を見極め、体本来の治る力(自然治癒力)を引き出すお手伝いをします。
もし、お子さんのふくらはぎの痛みが長引いたり、原因がよくわからなかったりしてご心配な場合は、ぜひ一度、信頼できる専門家にご相談ください。当院でも、丁寧にお話を伺い、根本原因を探ることからサポートさせていただきます。