オスグッド成長痛

オスグッド病(成長痛)と他の疾患の違い

2024年8月24日

オスグッドが治らない原因に根本原因についての考察は以下でしてきましたが、もうひとつ治らない原因として、そもそもオスグッドではないのでは?ということを考察していきます。

改めてオスグッドについて
オスグッド病(オスグッド・シュラッテル氏病)は、大腿四頭筋腱のけん引力が原因で膝の下部にある骨の成長軟骨が剥離し、痛みや腫れを引き起こす成長痛の一つです。この疾患は主に成長期の子供やティーンエイジャーに多く見られます。

オスグッド病と他の疾患との鑑別診断

オスグッド病の症状は他の疾患とも類似しているため、鑑別が重要です。以下の疾患と比較することで、適切な診断を行う必要があります。

  • 大腿四頭筋腱炎: 大腿四頭筋の腱が炎症を起こし、膝に痛みを引き起こします。
  • 膝蓋下滑液包炎: 膝の下にある滑液包の炎症で、膝下部に痛みを感じます。
  • 鵞足炎: 膝の内側にある鵞足部が炎症を起こし、痛みや腫れが生じます。
オスグッド病とジャンパー膝の鑑別イラスト

オスグッド病と他の疾患との鑑別

オスグッド病の場合、圧痛部位に特有の特徴があります。膝下の脛骨粗面部に圧痛や腫れが見られることが一般的です。この部位の隆起がオスグッド病の目安となりますが、膝蓋骨周囲に腫れが見られる場合、大腿四頭筋腱炎との鑑別が難しくなります。

  • 大腿四頭筋腱炎の場合、膝を曲げた状態で膝蓋腱に圧痛があるか、または骨に圧痛があるかを判断します。ただし、どちらも痛みを感じる場合もあるため、慎重な評価が必要です。
  • 滑液包炎の診断には、膝を伸展した状態での評価が重要です。膝蓋骨を下から上に押したとき、膝下の袋状の部分に圧痛がある場合、滑液包炎を疑います。
  • 鵞足炎との鑑別は、年齢が中学生の高学年に見られやすいことが特徴です。圧痛部位は脛骨粗面部よりも内側で、悪化すると同じように隆起している場合もあります。明らかな腫れがあり、特に女子や陸上などの短距離競技を行っている選手に多く見られます。

オスグッド病と滑液包炎のイラスト

滑液包は、主に膝周囲の潤滑の役割を担い、組織と組織が摩擦が生じないように、また摩擦が生じやすい部位には滑液包炎があります。

主な膝周囲の滑液包には、以下のようなものがあります。

  • 膝蓋上滑液包
  • 膝蓋前滑液包
  • 深膝蓋下滑液包
  • 浅膝蓋下滑液包
  • 半膜様筋滑液包
  • 鵞足滑液包

など、滑液包は膝周囲の摩擦を軽減させるためにとても大切な働きをしています。

もし、滑液包が炎症をおこしクッション働きに問題を起こしていれば、膝周囲に炎症が拡がり痛みの元になる可能性があります。

複合していることもある

 オスグッドの脛骨粗面部の圧痛もあるし、滑液包炎の圧痛も確認できる場合もあり、複合した痛みを伴っていることも多いです。オスグッドになる原因にも、小さな痛みや問題が別の部位に負担がかかり発症しているで、その痛みがまた別の問題を作り、複合した痛みを作っていることになります。

あまり痛みを放置し運動を続けていると、今度のまた別の痛みやケガに繋がり、満足に運動できなくなり、そのうちに痛みでパフォーマンスが落ち、心身共にストレスを抱えることに繋がります。スポーツは、何のためにやるのでしょうか。スポーツは自分自身の成長と身体的価値の向上のために行うものです。スポーツで身体を痛めて、精神的にもストレスを抱えては元も子もありません。

小さな痛みを放置していると、また別の大きなケガへ繋がりますし、一旦痛めたケガは基本的に元の状態には戻りません。それらの痛みが年齢を重ねてまた痛みを発することもあります。まずはしっかり痛みに対処し、原因を突き止め、身体の機能を高めることで競技力も向上し成長へと繋がります。

  • この記事を書いた人
バスケットボールイラスト

【柔道整復師】 熊谷 卓眞(kumagai takuma)

「施術の本質を追求し続け、長い探求の末にようやく辿りついた入り口の扉。今後は多くの人々の健康に寄与できるよう、積極的に知識と経験を発信していきます。」

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