オスグッド病とは?成長痛の一つ
オスグッド病(オスグッド・シュラッテル氏病)は、大腿四頭筋腱のけん引力が原因で膝の下部にある骨の成長軟骨が剥離し、痛みや腫れを引き起こす成長痛の一つです。この疾患は主に成長期の子供やティーンエイジャーに多く見られます。
オスグッド病と他の疾患との鑑別診断
オスグッド病の症状は他の疾患とも類似しているため、鑑別が重要です。以下の疾患と比較することで、適切な診断を行う必要があります。
- 大腿四頭筋腱炎: 大腿四頭筋の腱が炎症を起こし、膝に痛みを引き起こします。
- 膝蓋下滑液包炎: 膝の下にある滑液包の炎症で、膝下部に痛みを感じます。
- 鵞足炎: 膝の内側にある鵞足部が炎症を起こし、痛みや腫れが生じます。
オスグッド病と他の疾患との鑑別
オスグッド病の場合、圧痛部位に特有の特徴があります。膝下の脛骨粗面部に圧痛や腫れが見られることが一般的です。この部位の隆起がオスグッド病の目安となりますが、膝蓋骨周囲に腫れが見られる場合、大腿四頭筋腱炎との鑑別が難しくなります。
- 大腿四頭筋腱炎の場合、膝を曲げた状態で膝蓋腱に圧痛があるか、または骨に圧痛があるかを判断します。ただし、どちらも痛みを感じる場合もあるため、慎重な評価が必要です。
- 滑液包炎の診断には、膝を伸展した状態での評価が重要です。膝蓋骨を下から上に押したとき、膝下の袋状の部分に圧痛がある場合、滑液包炎を疑います。
- 鵞足炎との鑑別は、年齢が中学生の高学年に見られやすいことが特徴です。圧痛部位は脛骨粗面部よりも内側で、悪化すると同じように隆起している場合もあります。明らかな腫れがあり、特に女子や陸上などの短距離競技を行っている選手に多く見られます。