年齢によって異なりますが、何も特別なことをしていないのに歩くと痛みを感じる場合、腰部からくる脊柱管狭窄症に関連した神経痛の可能性があります。本記事では、特にふくらはぎに軽い肉離れや筋肉痛が生じた場合の対応策について紹介します。なお、神経痛が脚の攣りや筋肉痛の原因になり得ることについては、以下のリンクで詳しく解説しています。
軽度の肉離れでも歩いていいのか?
軽い肉離れの場合、完全に安静にするよりも軽い運動が有効です。運動によって癒着を防ぎ、再発の予防につながります。「肉離れの痛みがなくなったので運動をしたら痛みを感じた」などの経験はありませんか。
その理由は、脳が筋線維の微細な損傷を正確に認識しないためです。私たちの治癒力を最大限に引き出すためには、筋線維の状態を身体にしっかりと伝える必要があります。これが、当院で重視している「自己治癒力の概念」にも基づいています。
筋肉痛と肉離れは症状が似ているため、混同されがちですが、正確な判断が重要です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
筋線維の回復プロセスと癒着予防
通常、軽度の肉離れは2~3週間で自然に治癒しますが、癒着が起こると治癒が遅れることがあります。筋線維の癒着を防ぎ、より良い筋肉の回復を目指すためには、適度な運動とストレッチが欠かせません。ただし、歩くだけでは筋肉の伸張性を十分に引き出せず、ポンプ機能(血流促進効果)が弱まってしまうため、ストレッチとの併用が必要です。
筋線維は、元々すべての筋繊維をきれいに元に治そうとはしません。ある程度機能的に問題なければその状態で順応させてしまいます。どうせならきれいに治し、良質な筋繊維への回復させるためには以下の取り組みが大切です。
歩く際の注意点
歩くことは筋肉の回復に有効ですが、歩きすぎは逆効果になる場合があります。安定していない筋線維をさらに損傷させないよう、1回の歩行時間は20分以内に抑えることを推奨します。
血液循環の重要性
適切な血液循環は、筋線維に必要な酸素と栄養を供給するだけでなく、細胞を活性化させます。血行促進によって、心地よい状態を作り出し、筋線維の早期回復を助けるのです。
ストレッチの例
その他ストレッチ
タオルストレッチ:
座った状態でタオルを足先にかけ、足を手前に引き寄せます。ふくらはぎの筋肉が伸びるのを感じながら、1分キープしましょう。
悪化させるストレッチ
間違えたストレッチは治癒を遅らせます。ただ伸びるからと階段の段差を使ったストレッチや器具を使ったストレッチは、関節の可動性を超えています。関節の可動性を超えたストレッチは筋繊維を壊し、治癒を遅らせます。しっかり伸ばすことが大切ですが、間違えたストレッチがあることも覚えておいてください。
まとめ
軽度の肉離れや筋肉痛は、適切な運動とストレッチで癒着を防ぎ、再発を予防することが可能です。筋線維の回復には20分以内の歩行やストレッチが有効で、血行を促進することも重要です。もし痛みが長引く場合や改善が見られない場合は、腰部の神経の問題も疑い、早めに専門の診察を受けましょう。
運動の再開には慎重さが必要ですが、正しい対策を取ることで、より良い状態で回復を目指すことができます。