肩の痛みが続く場合には、まずどの組織の炎症による痛みか見極めることが大切です。そのうえで、なぜ肩の痛みが出て来たのか原因を突き止めることで根本的な改善に繋がります。
肩の痛みを根本から治すことは簡単ではありません。
その理由に『肩関節周囲炎』や『四十肩』『腱板損傷』など組織の特定を医療でも曖昧にされているケースが多いことがわかります。
痛めた原因に姿勢が大きく影響していることも、肩の痛みが長く続く原因になります。
肩の痛みが続くケースでは以下のような原因がみつかることが多いです。
- 左肩の可動域が自然と低下している
- 左側の肩甲骨と背骨の間が狭い
- 右肩が上がり左肩が下がる
- 首を上に向けると左肩や背中に痛みが走る
- 首に横しわが出来ている
そのような状態であるにも関わらず、無理に肩甲骨を引き寄せたり上げたりすることで、周辺の筋腱や神経が摩耗し痛みを伴う神経性の痛みが左肩の原因であることが多いです。
左肩だけでなく、もちろん右肩にも起こりますが、身体の歪みは左仮性延長という日本人に多い特徴的な歪みがあり、歪みのとおりに左肩に痛みが生じている場合は、歪みを正せば痛みも自然となくなり治癒していきます。
続く左肩の痛みの対症療法
対症療法というのは、炎症抑制や鎮痛させる手段であれば、どのような手段でも構わないのですが、左肩の痛みが続くケースでは、自然と治らない状態にあるため、治癒を手助けしてあげる手段が必要です。
痛みの種類には、以下のような軟部組織があります。
- 筋腱
- 滑液滑膜
- 関節包
- 神経
- 関節唇
痛みの原因はほとんど上記のどれかに炎症を来たしていることで、発症します。
どの組織の炎症を来たしているかどうかは、残念ながらレントゲンやMRIだけでは中々見つけることは難しいです。
そのため、まずは徒手検査により痛みの動作の確認や触診により組織の炎症を確認する作業必要です。
そのうえで、MRIなどの画像診断で特定することで、損傷組織を特定していきます。
神経の炎症を見極める
神経の炎症が肩の痛みと関連しているかどうか把握するには、やはり触診が有効です。
『電気をかけると筋肉がぴくぴく動きますよね。』
筋肉が特に動く部位は比較的神経が浅い部位で、触診することができます。
もちろん強くおしてはいけませんが、神経に炎症がある場合には軽くふれただけでも強く痛みを感じます。
神経自体は、炎症しにくい組織ですが、骨や筋腱が緊張している状態で何度も何度も動かせば、神経は耐えきれず摩耗し痛みを伴い放散痛を起こします。その放散した痛みが肩周囲で起これば、筋腱の損傷と似たような痛みとなり誤診しやすいです。
痛みやすい神経組織
- 腕神経叢(胸郭出口症候群)
- 肩甲上神経
また筋腱の緊張が神経を摩耗することから、筋腱の緊張を改善することが神経の炎症の改善にも繋がります。

肩の痛みが続く根本原因は姿勢が悪いから
肩の位置が正常な位置にない巻き型などでは、肩は前に位置するため、肩を痛めやすいです。
『突然痛みがでた』
というケースでも、いままでは大丈夫だっただけで、徐々に可動域は低下し周辺組織は硬くなっていたことが原因となり、筋腱や神経などが傷つき炎症することで発症します。
『今までは大丈夫だった』
と思っていても、徐々に姿勢が悪くなっていることにも気づかずに、ケアを怠っていれば原因が原因を作り炎症すれば痛みを伴います。
姿勢を良くしようとして痛めてるケースも
姿勢を良くしようと思って胸を張ったり、肩甲骨や肩をグリグリと動かす間違えた運動で神経が摩耗し痛みに繋がることもあります。
- 良い姿勢とは何か?
- 正しい姿勢をつくるための運動は?
様々な知識や工夫が必要となるため、やはり肩の痛みに詳しく原因を把握出来る施術者に委ねることがおすすめです。
肩の痛みが続く場合に確認まとめ
肩の痛みが続く場合には、以下をチェック
- 損傷組織を触診や圧痛などで特定する
- どのような動作で痛みがでるか確認する
- 姿勢に問題がないかチェックする
- 肩の上がり方の左右差や股関節の動きの左右差も歪みを判断するために参考になる
- 肩甲骨を寄せるなどの間違えた運動をしていたら一旦やめる
- 痛み場所を探そうと肩回りを揉んでいたら一旦やめる