整形外科で「ジャンパー膝(膝蓋腱炎)」と診断され、しばらく練習を休むよう指示される。 処方された湿布を貼り、サポーターやバンドを巻き、教わった太もものストレッチを真面目に行う。
「痛みが引いた」と思って練習を再開した初日、着地した瞬間にまたズキッと痛みが走る。
そんな経験を繰り返していませんか? 安静にしても、ストレッチをしても、なぜ痛みは繰り返すのでしょうか。
結論から言います。 あなたの膝を壊しているのは、ジャンプの回数や練習量だけではありません。 あなたが毎日履いている「その靴」と、靴の中の「足」に原因があることが多いのです。
今日は、なぜ「大きすぎる靴」や「現代の機能的なシューズ」が、学生の膝に負担をかけてしまうのか。その見落とされがちな真実をお話しします。
なぜ、安静にしても膝の痛みが消えないのか?
一般的にジャンパー膝は、ジャンプ動作の繰り返しによって太ももの筋肉(大腿四頭筋)が過緊張を起こし、お皿の下(膝蓋腱)を引っ張り続けることで炎症が起きるとされています。
ここまでは事実です。しかし、決定的な盲点があります。 それは、**「ジャンプをしていない時も、膝には負担がかかり続けている」**という点です。
その大きな原因の一つが**「靴のサイズ感」**です。
当院で膝の痛みを訴える学生の足を測定すると、実寸より2cmも大きな靴を履いているケースが多々あります。 「すぐ足が大きくなるから」「大は小を兼ねる」という親心や誤解が、結果として子供の身体への負担になっています。
- ブカブカの靴を履く 靴の中で足が遊んでしまうため、無意識に脱げないように足の指を浮かせたり、縮こませたりします。
- 重心が「かかと」に乗る 指が機能しないと、人間は重心をかかと(後方)に乗せざるを得ません。
- 膝を曲げてバランスを取る かかと重心のままでは後ろに倒れてしまうため、バランスを取ろうとして無意識に「膝を軽く曲げた姿勢」で歩くようになります。
つまり、練習中どころか、ただ立っているだけ・歩いているだけで、大腿四頭筋が常に膝の下を引っ張り続けているのです。 これでは、いくら練習を休んでも根本的な解決にはなりません。
あなたの足は「過保護」になっている
さらに、もう一つ問題があります。 それは**「靴が高機能すぎる」**ことです。
「最近の靴はすごい」 クッション性は抜群、アーチサポートも完璧、さらに厚手の靴下や高機能インソールを入れる…。
はっきり言うと、過保護な環境では足は本来の機能を果たせません。
機能性シューズに守られ、分厚い靴下に包まれた足は、地面の情報をキャッチできなくなっています。 感覚が鈍麻し、足の指が使えなくなる。
その結果、足の指は伸びきり(浮き指)、足の裏はいつまでも赤ちゃんのように柔らかいまま育ちません。 本来なら足裏と指が吸収するはずの衝撃を処理できず、そのダメージがすべて膝や腰に直撃してしまうのです。
理想は「ペラペラの靴」。上履きを思い出せ

「衝撃吸収のためにクッションが必要だ」というのは、メーカーのマーケティングであり、身体の真実ではありません。
本当に膝を守りたいなら、選ぶべきは逆です。 ソールはフラットで薄く、サイズはピタッと合うもの。靴下も薄くていい。 足の裏で地面の凹凸を感じ取れるくらいの「情報の多さ」が必要です。
身近に最強の教本があります。 学校の「上履き」です。
クッションもなく、ペラペラで、足の形がそのまま出る。 実は、身体の使い方が上手い人間にとっては、あれが最も「足を使える(指が使える)」環境に近いのです。
「緩い靴」に違和感を持てるか
足の感覚が鋭敏で、指がしっかり機能しているアスリートは、「大きすぎる靴」を履くと気持ち悪さを感じます。 足が中で遊ぶ感覚、地面が掴めない感覚に違和感を覚えるのです。
もしあなたが、「大きめの靴の方が楽だ」「指が当たるのは嫌だ」と感じているなら、それは足のセンサーが鈍っている証拠かもしれません。 「指が当たる感覚」を嫌がるのではなく、「靴の中で足が泳ぐ感覚」に危機感を持ってください。
靴は「履くもの」ではなく、道具として「履きこなすもの」です。 道具としての靴を使いこなすには、まずは**「過保護」をやめること**から始まります。
くまのて接骨院のアプローチ
ジャンパー膝の治療において、当院がまずやることは「患部を揉むこと」ではありません。 **「足のサイズを正確に知ること」**です。
当院では足の測定を行い、現在履いている靴が適正かどうかを判定します。その上で、以下の施術を行います。
- 近赤外線による深層アプローチ パンパンに張ってしまった大腿四頭筋や、炎症を起こしている膝蓋腱に対し、近赤外線を照射します。深層筋・神経に直接アプローチするため、施術後すぐに痛みの軽減を実感していただけるはずです。
- 重心環境の改善 「前に乗れる」足の使い方を指導します。靴の選び方、紐の結び方ひとつで、膝にかかる負担は劇的に変わります。
最後に
「痛いから休む」という選択をする前に、足元を見直してください。 原因は、あなたの筋肉の弱さでも、練習量の多さでもないかもしれません。
もし、今履いている靴に不安があるなら、いつもの靴を持ってご来院ください。 レントゲンには写らない痛みの「本当の原因」を、一緒に見つけましょう。
