院長の臨床ノート

その変形性の膝の痛み、「もう年だから」と諦めていませんか?

2025年6月10日

はじまり:「もう年だから…」その一言が、
可能性を奪っているかもしれません

  • 「立ち上がる時に、膝にズキっと痛みが走る…」
  • 「階段の上り下りが億劫で、外出するのが怖くなった…」
  • 「病院に行ったら『年のせいですね』『体重を落としましょう』と言われるばかり…」
歩いて膝が痛くなった高齢者

長年、膝の痛みに悩むあなたは、ヒアルロン酸注射や痛み止めで、その場の痛みをしのいだり、水がたまるという理由だけで水を抜いてはいないでしょうか。

心のどこかで「もう年だから仕方ない」と、ご自身の身体の可能性に蓋をしてしまっているかもしれません。

ですが、本当にそうでしょうか。 なぜ、あなたの膝は痛むのか。その原因に対して正しく取り組めば、身体は必ず応えてくれるはずです。この記事では、諦める前に知ってほしい「本当の原因」と、希望ある未来への道筋をお伝えします。そのためには、少しだけ根気が必要になるかもしれません。

一般的な見解
「骨の変形」や「軟骨のすり減り」が原因?

整形外科へ行くと、レントゲン写真を見せられ、「軟骨がすり減って、骨が変形しているから痛いんですよ」と説明されることがほとんどです。

ドクターにレントゲン写真膝をみせられてよくわからない様子

しかし、ここで一つの事実があります。それは、骨が変形していても、全く痛みを感じずに生活しているご高齢者も大勢いるということです。

一度、ご自身の膝を確認してみてください。もし、痛みがあっても膝が90度以上スムーズに曲がり、かかとがお尻に近づくなら、まだ希望は十分にあります。レントゲン写真で骨と骨の間に少しでも隙間が残っているなら、諦めるには早すぎます。

もちろん、骨の変形が限界に達し、90度も曲がらないほどロックしてしまっている場合は、年齢を考慮し、手術を選択するのも一つの有効な手段です。しかし、手術はあくまで「対症療法」の最終形。なぜ膝に負担がかかり、変形するに至ったのか、その根本原因が解決されなければ、手術をしても痛みが変わらない、というケースも少なくないのです。

今、本当に目を向けるべきは、膝の骨の形だけではありません。「なぜ、あなたの膝にばかり、負担が集中してしまったのか?」その、身体全体の状態を知ることが重要です。

当院が考える本当の根本原因
「腰の神経」と「お腹の水」の問題

当院では、多くのご高齢者の膝痛の背景に、大きく分けて2つの根本原因が隠れていると考えています。

腰部のズレによる「神経」の問題

長年の身体の癖により、腰の骨(腰椎)がズレると、そこから出ている神経が圧迫されたり、異常に引っ張られたりします。実は、膝の感覚を支配する神経は、腰から出ています。例えば、腰椎の3番の神経なら膝の内側、4番なら前側、5番なら外側、といったように、痛む場所と原因となる神経には深い関連があるのです。

お腹の機能低下による「水」の問題

「膝に水がたまる」という症状も非常に多いですが、その水はどこから来ているのでしょうか。当院では、下腹部の機能低下、いわゆる「水腹(みずばら)」の状態が大きく影響していると考えます。加齢や自律神経の乱れにより、お腹の代謝機能が落ちると、体内の水分がうまく排出されずに下半身に滞り、構造的に溜まりやすい膝関節周囲に「水たまり」を作ってしまうのです。

なぜ?膝ではなく「腰」や「お腹」が
影響するメカニズム

では、なぜ「腰」や「お腹」が膝に影響するのでしょうか。

腰がズレて神経が圧迫される場合
痛みから逃れるために、身体は無意識に不自然な姿勢(疼痛緩和肢位)をとります。その結果、体重が膝の片側に偏ってかかり続け、炎症や痛みを引き起こす原因と逆側の神経が緊張することで引き起こす2つ原因です。これが「腰の神経」が原因の膝痛のメカニズムです。

「お腹の水」が原因の場合、
その根本には自律神経の乱れが関わっています。自律神経が胃腸の働きを低下させ、代謝が悪くなることでお腹に水が溜まります。この溜まった水分は、重力によって下へ下へと落ちていき、膝関節の周辺に集まります。膝周囲の組織の「弾力性」が低下していると、この水分を押し返すことができず、風船がしぼんだ後のように、簡単に関節内に水が溜まってしまうのです。

膨らんだ風船としぼんだ風船の様子と水がたまる原因を示唆

膝の水を注射で抜いても、関節周りの弾力性が戻ってない、蛇口(お腹の機能低下)が開きっぱなしでは、またすぐに水は溜まってしまいます。蛇口を締めるには、自律神経を整え、お腹の働きを正常化するアプローチが不可欠なのです。

どうすれば?身体の土台を整え、
自分の足で歩き続けるために

では、どうすればいいのか。答えは、身体が本来持つ「弾力性」を回復させることです。 「もう年だから、治らない」そう思うかもしれません。しかし、人間の細胞は、年齢に関係なく、いつでもその働きを活性化させることができます。きちんとケアをすれば、膨らんでしぼんだ風船も弾力性が回復し、水が溜まりにくい状態や、身体のズレを自分で修正する力を取り戻せるのです。

高齢者の腰の歪みをチェックしている様子

重要そのために必要なのが、物理的な刺激です。そして、その刺激によって脳に異常を知らせてくれる重要なサインが、あなたが嫌がる「痛み」なのです。痛みは、身体が脳に「ここに問題があるから、治してくれ!」と教えてくれる、治癒に必要なサインです。

しかし、多くの方はこのサインを無視しようと、痛み止めや注射といった対症療法に終始してしまいます。当院に来られる方も、「膝だけを何とかしてくれ」とおっしゃいます。ですが、それで本当に良いのでしょうか。なぜ痛くなったのか、その根本原因にアプローチしなければ、本当の意味での改善はあり得ません。

正直に申し上げます。慢性的な膝痛の改善は、一筋縄ではいきません。途中で痛みが変わらないと感じ、諦めてしまう方もいらっしゃいます。分かります。痛みを抱えながら通院すること自体が、肉体的にも精神的にも大変なストレスであることも、重々承知しています。

ですが、当院を信頼し、「二人三脚」で、少なくとも2ヶ月間、ご自身の身体と向き合う覚悟を決めていただけますでしょうか。 当院は、誰よりも、どこよりも、あなたの強力なサポーターであり続けることをお約束します。

まとめ:100年時代を、
痛みなく、自分らしく歩む

「もう年だから」という言葉で、ご自身の可能性を諦めないでください。 あなたの膝が長年頑張ってきたサインである「痛み」に正しく耳を傾け、その根本原因にアプローチすれば、身体は必ず応えてくれます。

今、ここでしっかりとご自身の身体と向き合うことが、これからの人生、生涯自分の足で、自分らしく歩き続けるための、最も価値ある資産になるはずです。

その一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか。

さらに深く学びたいあなたへ

今回の記事で、ご自身の膝の痛みの根本原因について、多くの気づきがあったかと存じます。

くまのて接骨院では、この理論に基づき、さらに踏み込んだアプローチも研究・実践しております。例えば、院長が効果を厳選した以下のようなテーマです。

  • 大腿四頭筋の正しいストレッチ方法と、その注意点
  • ご自宅でできる「お腹の水を抑える」ための自律神経アプローチ
  • (施術家の方向け)高齢者の膝痛に対する評価とアプローチ法

これらの専門的な知識は、今後の情報発信や、院内で個別にご案内してまいります。将来的には、ご自宅で学べる手軽なコンテンツとしてご提供する計画も進めております。

まずはご自身の身体について、もっと深く知りたい、本気で改善したいという方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの「知りたい」という想いに、私たちは全力でお応えします。

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