自律神経は、身体の恒常性を保つために重要な役割を果たしています。交感神経と副交感神経のバランスが保たれることで、体の機能が正常に働きます。しかし、脳が身体の状態を正しく認識できないと、自律神経の調整がうまくいかないことがあります。
交感神経と副交感神経のバランス
- 交感神経:
- 心拍数の増加
- 血圧の上昇
- 血糖値の上昇
- 血管収縮
- 副交感神経:
- 心拍数の減少
- 血圧の低下
- 血糖値の低下
- 血管拡張
これらの神経は、脳から伝達され、各臓器や血管に影響を与えます。脳は感覚神経や知覚神経を通じて身体の状態を認識し、その情報を基に自律神経を調整します。
自律神経の乱れとその影響
自律神経の乱れは、以下のような症状として現れることがあります:
- 不眠症: 睡眠の質が低下し、夜間の目覚めが多くなる
- 消化不良: 胃腸の働きが乱れ、食欲不振や腹痛、下痢などが発生する
- 慢性的な疲労: 十分な休息を取っても疲れが取れず、持続的な倦怠感を感じる
- 心身の不調: 頭痛やめまい、動悸、息切れなどが頻繁に起こる
- 過敏性腸症候群(IBS): 腹痛や便秘、下痢などが交互に起こる
- 体温調節の乱れ: 寒暖差に対する適応能力が低下し、冷え性やほてりを感じる
むくみと脳の認識
例えば、背中にむくみがあると、脳から自律神経に送られる神経伝達物質に影響を与えます。この時に機能していないのは、脳ではなく、背中の自律神経です。この場合には、背中の問題を解消し、脳にせなかの状態を正しく認知できるように整える必要があります。このような誤認識が自律神経の乱れを引き起こすことがあります。脳機能が正常であっても、背中にむくみがあったり、発汗しにくかったり、筋肉の緊張が生じている場合、前述したような自律神経の乱れの症状を引き起こします。
これらの問題は、問診、視診、触診などで把握することが可能です。
自律神経のチェック方法
自律神経の状態は、脈波を利用した3分間の簡単な検査でチェックすることができます。この検査により、自律神経のバランスを把握し、適切な対策を講じることが可能です。
自律神経を整えるためのアプローチ
自律神経の乱れを整えるためには、身体的なアプローチが重要です。以下の方法が有効です:
- 筋肉の緊張をほぐす: ストレッチやマッサージで筋肉を柔らかくする
- 血流の改善: 運動やマッサージで血液の循環を良くする
- 冷えやむくみの解消: 適切なケアで身体の状態を整える
- 胃腸の働きを整える: 健康的な食事で消化機能をサポートする
結論
自律神経の正常な働きを維持するためには、身体の状態を整え、脳が適切に身体の状態を認識できるようにすることが重要です。自律神経の乱れが気になる場合は、当院でのチェックや身体的なアプローチをご活用ください。自律神経のバランスを整えることで、身体の恒常性が保たれ、より健康的な状態を実現できます。
高血圧、高血糖、高たんぱく、頻脈などもすべて自律神経の乱れともいえます。初期状態であればまずは、自律神経の乱れを整えることが大切ですが、医学ではこのような対処は行われません。これは医学ではなく、生理学的にはこのような対処が望ましいといえます。あまり深くは言及しません。