「くしゃみをした瞬間、腰に激痛が走り、腰がくの字(または横)に曲がったまま伸ばせなくなった」 ぎっくり腰(急性腰痛)で当院に駆け込んでくる患者様の多くは、このような状態です。
実は、この「腰が横にズレる」「伸ばせない」という状態は、単なる筋肉の損傷ではありません。強烈な痛みの原因(神経圧迫など)から逃れるために、脳が自動的にとらせている「疼痛緩和肢位(痛みから逃げるための特有の姿勢)」です。
当院では、ただ闇雲に痛い腰をマッサージしたり、安静を指示したりすることは絶対にありません。「なぜその姿勢になっているのか」というバグを正確に読み解き、以下の6つのステップ(臨床フロー)で、その日のうちに「自分の足で歩いて帰る」ための確実なアプローチを行います。
視診と確認(動作のロックを見つける)
まずは、患者様の「逃避姿勢」を観察した上で、必ず状態検査を行います。
- 腰を反らすと痛いのか、曲げると痛いのか
- 右と左、どちらに身体を捻りにくいか
痛みを我慢して動かすのではなく、「どの動作にロックがかかっているか」を正確に洗い出します。
触診(神経レベルのエラーを特定)
動作のロックを確認したら、次に「デルマトーム(皮膚分節)」などの神経学的な知見を用いて、痛みの震源地を探ります。 ぎっくり腰の場合、腰そのものだけでなく「太ももの外側の強い筋緊張(張りと圧痛)」など、神経症状として特定の場所にサインが出ます。左右の緊張状態を触診し、エラーを起こしている筋肉の硬結部位を完全に特定・把握します。
施術(光による弾力性の回復)
エラーの部位(多くは骨盤の上の部位や、腸腰筋などの連動ポイント)が絞り込めたら、ピンポイントで施術を行います。 急性期で炎症が起きているため、強い指圧などは行いません。近赤外線(メディチャーライト)を照射し、深部のうっ血を散らしながら、失われた組織の「弾力性」を安全かつ急速に回復させます。
再確認(脳への治癒シグナルの入力)
当院が最も重要視しているのが、この「再確認」のプロセスです。 施術後、ステップ1で「痛くてできなかった動作(捻りなど)」を患者様ご自身にもう一度行っていただきます。 「あ、さっきより動く」「痛みが減っている」という事実を患者様自身が確認することで、その情報が感覚神経を通して脳に伝わります。脳が「もう防御姿勢(腰のズレ)をとらなくても大丈夫だ」と安心することが、ぎっくり腰を根本から解除する最大の鍵なのです。
運動指導(専用の処方箋)
脳のロックが外れ、痛みが大幅に軽快した状態を維持するために、その方のぎっくり腰のタイプに合わせたストレッチ(運動)を1〜2個だけ厳選してお伝えします。
対策と経過(やってはいけない事)
最後に、アイシング部位ややっていい事と注意点などをアドバイスします。
ぎっくり腰は、安静にして痛みが引くのをただ待つ必要はありません。「正しい見立て」と「脳へのアプローチ」があれば、その日のうちに必ず状況は変えられます。 這ってでも当院にたどり着いていただければ、帰りはご自身の足で歩いて帰れるよう、私が責任を持って処置いたします。

