肩の痛みは首から来ているケースも大変多いです。
まず痛めた原因が明確か、それともいつの間にか痛みが出て来て慢性化したのかで、神経痛の影響があるかどうか判断できます。
いつの間にか痛みがでてきたケースでは、姿勢や歪みの影響により首(頸椎に)に何らかの支障問題があり、それが肩の痛みへと放散するように痛む放散痛の可能性があります。
首からくる肩の痛みか症状チェック
まず肩の可動域や状態をチェックする前に首の動きや傾きをチェックすることで、首の問題が肩の痛みと関連しているか判断できます。
首に問題があれば、必ず可動域が低下し、どちらかに首が傾いているなどの症状や首の横しわもまた重要な情報となります。

首からくる肩の痛みでは以下のような症状があります。
- いつの間にか痛みが出て来た
- 痛い日と痛くない日がある
- 手先や指先にしびれがある(ない場合もある)
- 首が曲がっていることを自覚または指摘されたことがある
- 頸椎のカーブがきつく首の後ろに横しわがある
- 夜間通ねていると痛みがある
疑い
肩関節周囲炎や上腕二頭筋腱腱の炎症やその他の滑液包炎や神経の影響があるかチェックし鑑別診断を行う必要があります。肩は問診視診触診が難しい関節でもあります。
- 肩関節周囲炎
- 四十肩
- 上腕二頭筋腱炎
- 滑液包炎
しっかり鑑別出来るチェックシートを当院では利用し、首の影響を確認したうえで施術します。
患者さんの状態(問診視診触診やきっかけ)
右肩の痛みで、痛みは数か月続き慢性化してきたので、思わず受診。
- 右の肩関節は左の肩関節と比べると若干可動域が狭いものの130度以上は上がる
- 肩の動きは制限ないもののあげるとやや不安定さを感じる
- 自発的に肩をあげても特定の動作で必ず痛みがでるような特異的な症状は見当たらない
- 首の傾きや横しわが顕著にみられる
肩の痛みでも首の状態を必ずチェックし、その他の足や腰の状態もチェックするのが当院のやりかたです。
以下の状態を確認、施術部位について
- 首が右へ傾く
- 座っていると右お尻に重心が乗る
- 頸椎のカーブがきつい反り首
- 足先のしびれ
- 左手の腱鞘炎のような症状
などからも首から来ている可能性は高く、頸椎の落ち込み横しわ周囲に頸椎の変位やコリを確認
根本原因について
頸椎の4番が落ち込み(カーブ)が強く頸椎5番周囲にコリや腫れ歪みを確認。鎖骨周囲の圧痛・三角筋の硬さや圧痛

根本原因は、なぜ、このような状態になったのかということをさぐることにあります。私の考察では、やはり、長年の臀部の歪みにより座り姿勢が常に傾くことで頚部に負担がかかったのではないと思います。
この場合は、臀部の施術を行っても肩の痛みは軽快が見られるのが特徴ですが、やはり頸部も施術した方が経過は良く再発予防とより効果的な施術に繋がり喜んでいただけるはずです。

この通りに歪むわけではありませんが、お尻が歪み腰椎がゆがめが、頸椎も歪みます。そのため臀部の問題部位を施術すれば、頸部の神経痛は緩和され肩の痛みも軽快します。
施術や経過

施術は頸部中心に傾きを治す手技療法と神経の炎症部を把握し、近赤外線を照射することで炎症の抑制と頸椎のカーブの改善を行いました。
おおよそ週1回で5回ほどでほとんど痛みは軽快し、その他座り方や身体の歪みを正し、根本改善と再発予防の段階です。
神経の痛みは経過が悪いです。筋腱の場合には即座に効果のあるようなものでも、神経の痛みは時間差があるが特徴です。
まとめ
右肩の痛みで原因が明確ではないようなケースでは首の問題が肩に痛みを放散している例は意外と多いです。いくら肩に注射やシップや電気療法などをしたところで、首の歪みによる神経の炎症があるのであれば根本部位を施術し炎症を軽快させなくては、痛みはいつまで経っても取れないことになります。
その他にも、肩関節周囲炎や四十肩と診断されたケースも首の歪みによる肩の痛みは関連があるケースが圧倒的に多いです。