はじめに:「またか…」その“癖”になった肉離れ、高校生活を諦める理由にはなりません
- 「大事な大会の前に、またやってしまった…」
- 「たくさん鍛えて、身体が出来上がってきたはずなのに、なぜ…」
特に、高校2年生から3年生にかけて。積み上げてきた努力が実を結ぶ、最も大切な時期。そのタイミングで繰り返すハムストリングの肉離れは、選手の心を折る、非常につらく、残酷なケガです。
しかし、もし私が「肉離れは、すべて予防可能です」とお伝えしたら、どう思われるでしょうか。
この記事は、単なる気休めではありません。当院の長年の臨床経験に基づき、なぜあなたの肉離れが繰り返すのか、その本当の原因と、再発を断ち切るための具体的な道筋を示すものです。
一般的な見解と、当院の視点:「安静」だけでは、本当の解決にならない
一般的に、肉離れの治療は「3週間の安静、その後3週間のリハビリ」といったプログラムが組まれることがあります。しかし、当院では、この「長すぎる安静」こそが、再発の温床になると考えています。
なぜなら、安静にしすぎると、損傷した筋肉は硬く、しなやかさのない「質の悪い」状態で再生してしまうからです。それでは、競技に復帰した途端に、また同じ場所を痛めてしまうのは当然です。
当院のアプローチは、全く逆です。 安静は必要ですが、固定はしません。痛めた直後から、積極的に筋肉の再生を促し、3〜4週間で、痛める前よりも質の高い、しなやかな筋肉へと回復させることを目指します。
3症例レポート:当院の分析とアプローチ
- 【患者様の背景】
- プロフィール: 高校2年生、陸上部(短距離)。左ハムストリングの肉離れを繰り返している。
- 【主なお悩み】
- 焦りと不安: 「大事なシーズンなのに、また練習を休まないといけない」「このまま引退になったらどうしよう」
- 【当院での検査・分析】
- 肉離れを繰り返す選手の身体を「10の姿勢分析」で調べると、ほぼ共通して、痛むハムストリングそのものではなく、全く別の場所に根本原因が見つかります。 このケースでは、骨盤の中心にある「仙骨」の歪みが、全ての問題の引き金となっていました
- 仙骨が歪むと、骨盤全体のバランスが崩れ、特に足首からアキレス腱に余計な緊張が生じます。アキレス腱の緊張はハムストリングに常に過剰な牽引力(引っ張られる力)がかかり続けます。この状態で爆発的な力を加えれば、筋肉が断裂してしまうのは当然の結果なのです。
- 【具体的なアプローチと改善への道のり】 当院では、この「本当の原因」に対して、以下の2つのアプローチを並行して行います。
- 患部へのアプローチ(30分): まず、痛めたハムストリングに近赤外線を照射し、炎症を鎮め、筋肉の「弾力性」の回復を促します。
- 痛めた直後の1〜2週間は、その後の回復を決定づける最も重要な時期です。毎日(最低でも2〜3日に1回)の施術で、集中的に患部の環境を整えます。
- 原因へのアプローチ(15分): 同時に、根本原因である「仙骨へのハンド調整」を行います。
- これにより、下半身全体の血流が改善し、足首の動きもスムーズになります。身体全体のバランスが整うことで、ハムストリングにかかっていた過剰な負担が解放されます。
- この2つのアプローチを組み合わせることで、週に2回の通院を2週間ほど続けた後、週に1回のメンテナンスに移行し、約1ヶ月で、痛みなく、そして以前よりも質の高い状態で競技に復帰することができました。
- 患部へのアプローチ(30分): まず、痛めたハムストリングに近赤外線を照射し、炎症を鎮め、筋肉の「弾力性」の回復を促します。
大会直前でも、諦めないでください
「今週末が、最後の大会なんです…」
私たちは、そんな選手の「想い」にも、全力で向き合います。 実際に、大会まで1週間を切った状態から、何とか間に合わせたケースも数多くあります。
もちろん、それはベストな選択ではありません。大会中は痛みがなくても、その後症状は悪化します。しかし、リスクを正直にお伝えした上で、その状況でできる最善を尽くします。そして、大会が終わった後、もう一度しっかりと根本から治せば、全く問題ありません。
大切なのは、正しいケアをすれば、必ず治るという事実を知っておくことです。
まとめ:そのケガで、高校生活の結末を決めないで
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
繰り返す肉離れは、「癖」でも「運」でもありません。それは、あなたの身体が発している、解決可能な「SOSサイン」です。
そのサインに正しく耳を傾け、本当の原因と向き合えば、再発しないだけでなく、以前よりも高いパフォーマンスを発揮することも、理論的には可能なのです。
そのケガで、あなたの3年間を諦めてしまう前に。 ぜひ一度、私たちにご相談ください。