オスグッド病は、さまざまな要因が重なり合って膝に炎症が生じることで発症する痛みです。当院にも、オスグッドの痛みで来院される患者様が多くいらっしゃいますが、症状が改善しにくいと悩まれる方も少なくありません。この記事では、オスグッドの痛みがなぜ改善しにくいのか、その原因と治療のアプローチについて詳しく解説します。
オスグッド発症の原因となる3つのポイント
- 柔軟性の問題
- 身体の使い方の問題
- 骨組織の損傷の問題
オスグッドの原因には、体の柔軟性や動作の癖、さらには骨組織の損傷が深く関わっています。単に炎症を抑える治療だけでは再発しやすいため、根本的な対策が求められます。当院では、炎症を軽減するために近赤外線を照射し、さらに柔軟性や体の使い方も改善する根本療法を併用することで、痛みの再発を防ぎ、より早い回復を目指します。
柔軟性の低下
大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性の改善が必要な理由
オスグッド病は「大腿四頭筋の牽引性骨端症」とも呼ばれることから、太ももの前側にある大腿四頭筋の緊張が原因の一つとされています。しかし、実際には太もも裏のハムストリングスの柔軟性も重要な影響を与えており、前側の筋肉だけに焦点を当てたストレッチでは不十分です。ハムストリングスも含めてバランスよく柔軟性を保つことで、膝への負担が軽減されます。
柔軟性の低下は、体の使い方の癖と密接に関係しており、これが「体の使い方の偏り」につながります。
体の使い方の偏り
正しい体の使い方で膝への負担を軽減
オスグッド病は特に運動をしている成長期の子どもたちに多く見られます。運動の際の動作が膝に与える負担が大きいため、同じ運動をしていても発症する子どもとしない子どもがいます。その違いは体の使い方にあります。例えば、連続ジャンプ時に、体の使い方が上手な子どもは足首のバネを使い、膝の屈伸を控えめにして跳ぶことができますが、オスグッドを発症しやすい子どもは足首が硬く、膝を多用するため膝に過剰な負担がかかります。
このような体の使い方の問題により足首の柔軟性も損なわれ、膝への負担が増加してしまいます。炎症が進行すると、膝下に痛みが生じ、やがて骨が隆起することもあります。
骨組織の炎症と損傷
炎症を抑え、骨組織の修復を促進する
筋肉や腱と異なり、骨組織は一度炎症が起こると治癒が遅い傾向があります。また、体の使い方や柔軟性の問題が改善されていない場合、痛みが少し和らいだ段階で運動を再開すると、症状が再発しやすくなります。炎症が治まるまでは、適度に運動を控えることが理想です。
当院では、炎症を軽減するために近赤外線を用いた光療法を活用しています。この光療法により、患部の血流が促進され、炎症の早期改善が期待できます。また、軽い運動を通じて正しい体の使い方を学び、柔軟性の向上も図るリハビリを行っています。
まとめ
オスグッド病の原因には、柔軟性の欠如や体の使い方の偏り、そして骨組織の炎症が関わっています。対症療法と根本的な原因へのアプローチを組み合わせることで、痛みの再発を防ぎ、より早い回復を実現できます。
早期の治療と適切なケアは、膝の痛みを抱える成長期の患者様にとって非常に重要です。当院では、症状の根本原因にしっかりと向き合い、患者様の個別のニーズに合わせたリハビリ方法を提案しています。早めに対策を講じ、日常生活やスポーツ活動へとスムーズに復帰できるようお手伝いをいたします。