はじめに:「成長痛だから仕方ない」その一言で、お子様の未来を諦めていませんか?
はじめまして、横浜市でくまのて接骨院の院長をしております、熊谷です。
- 「サッカーの練習中に、膝の下が痛むようになった…」
- 「最初は少しの違和感だったのに、今では歩くだけでも痛い…」
- 「病院に行ったら『成長痛だから、休むしかない』と言われた…」
もし、スポーツに打ち込むあなたのお子様が、このようなお悩みを抱えているなら、この記事はあなたのためのものです。
先日も、サッカーを頑張る中学生の男の子が、心配された親御さんと一緒に来院されました。1週間前から突然膝に痛みが出始め、歩行にも支障が出てきた、とのことでした。
「成長痛だから仕方ない」のでしょうか? いいえ、決してそんなことはありません。その痛みの裏には、必ず解決すべき「原因」が隠されています。
一般的な見解と、当院の視点:オスグッド病は「成長」が原因ではない

まず、一般的に「オスグッド・シュラッター病」は、成長期に急激に身長が伸びることで、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が膝のお皿の下の骨(脛骨粗面)を引っ張り、その部分が剥がれたり炎症を起こしたりする状態、と説明されます。
しかし、私は長年の臨床経験から、その説明だけでは不十分だと考えています。
なぜなら、同じようにスポーツを頑張っているチームメイト全員が、オスグッド病になるわけではないからです。 もし本当に「成長」だけが原因なら、全員が同じように痛みを抱えるはずです。
つまり、「成長」はあくまできっかけ。痛みが現れた子と、そうでない子の間には、「膝の使い方」や「身体の歪み」という、明確な違いが存在するのです。痛みの本当の原因は、お子様の身体の硬さや、膝がねじれてしまうような、隠れた問題にあるのです。
当院の検査と見立て:痛みの本当の原因は「身体の硬さ」と「足首の歪み」です
当院では「10の姿勢分析」を通して、痛みの本当の原因を客観的に見つけ出します。 オスグッド病のお子様にほぼ共通して見られるのが、極端な身体の硬さです。
例えば、仰向けで脚を伸ばしたまま上げる検査(SLRテスト)をすると、多くの子が45度も上がりません。これは、太ももの裏からふくらはぎにかけての筋肉がガチガチに硬くなっている証拠です。

この硬さがあると、走る、ジャンプするといった全ての動作で、膝関節に過剰な負担がかかります。 さらに、私たちは足首の軸の崩れにも着目します。特に、腓骨(すねの外側の骨)の問題により足首が歪むと、膝は常にねじれた状態で使われることになり、膝下の骨(脛骨粗面)に強い牽引力がかかり続けてしまうのです。

つまり、オスグッド病という「結果」ができた組織そのものではなく、その結果を生み出してしまった身体全体の「硬さ」と「歪み」こそが、あなたの痛みの本当の原因なのです。
症例レポート:当院の分析とアプローチ
- 【患者様の背景】
- プロフィール: 10代男性。週に2回ほどサッカーをしている。
- 来院前の状況: 当初は運動後に少し違和感がある程度だったが、徐々に悪化。歩行時にも痛みが出始め、触ると膝下の骨が出っ張っている部分に明らかな痛みと炎症があった。
- 【主なお悩み】
- 痛みの状態: 「とにかく早く痛みを取りたい」
- 将来への不安: 「このまま運動を続けてもいいのか?」
- 【当院での検査・分析】
- 問診・視診: 左右の痛みの違いを確認。視診で、膝下の骨(脛骨粗面)に明らかな隆起と圧痛が見られ、オスグッド病であると判断。
- 触診・可動域検査: 触診で、右足首の内反(内側への傾き)と、それに伴う脚の短縮を確認。SLRテストでは陽性。膝が完全に伸びきらない状態でした。
- 分析結果: これらの所見から、症状はすでに中程度まで進行していると判断。根本原因は、身体全体の柔軟性の欠如と、足首の歪みからくる膝のねじれにあると結論づけました。
- 【具体的なアプローチ】
- まず、炎症を起こしている膝下の骨(脛骨粗面)に近赤外線を照射し、炎症を鎮めます。
- 次に、根本原因である足首の歪みを改善するため、腓骨の調整により、足底のバランスを整えます。
- 最後に、膝に負担をかけない腓骨のストレッチを指導し、運動を通して身体の状態を整えていく方法をお伝えしました。
- 【改善への道のり】
- 初回の変化: 施術後すぐに、伸びにくくなっていた膝がスムーズに伸びるようになり、左右でずれていた脚の長さも整いました。
- 通院ペースと期間の目安: 週に2回のペースで通っていただき、およそ3〜4週間で痛みなくプレーできる状態まで改善したため、「治癒」としました。
5. まとめ:「成長」を、痛みの言い訳にしないでください
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
オスグッド病などの成長期の痛みは、決して「成長しているから仕方ない」と諦めるべきものではありません。 痛みの本当の原因を見つけ出し、適切な処置と正しい運動指導を行えば、再発を防げるだけでなく、痛みがない状態で伸び伸びとプレーできる、スポーツの成長に欠かせない大切な身体の土台を作ることができます。
痛みを我慢したままプレーを続けると、身体はどんどん硬くなり、パフォーマンスは下がっていきます。周りの仲間たちが上達していく中で、自分だけが取り残されていく感覚は、お子様のメンタルにも決して良い影響を与えません。
スポーツは、心と身体を成長させるために、そして何より楽しむためにあるものです。 一日でも早くお子様を痛みから解放し、適切な身体の使い方を身につけ、本当の意味での成長をサポートしませんか。その一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。
院長のより深い考え: なぜオスグッド病の本当の原因が、足首や身体の硬さにあるのか?そのより深いメカニズムや、私の健康哲学の背景については、個人ブログ『くまでblog』で詳しく解説しています。ご興味のある方は、そちらもご覧ください。
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『膝の痛み』に光を当てるくまのて接骨院のアプローチについて
病院で『変形性膝関節症』『成長痛』『ランナー膝』などと言われ、シップやマッサージを試しても、なかなか改善しない。その背景には、まだあなた自身も気づいていない「本当の原因」が隠れているのかもしれません。