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【危険】首や耳周りのマッサージのやりすぎ注意!自律神経の乱れと『ゴリゴリ』の正体

「当院には、元々あった首の痛みや不調をご自身でマッサージし、かえって悪化させてしまった方がいらっしゃいます。中には、そのマッサージが不調を招いていることに気づかないまま、良かれと思って続けてしまい、結果的に症状を複雑化させているケースも少なくありません。

今回は、こうした状況を踏まえ、なぜ安易な首や耳周りのマッサージが危険なのか、気になる『ゴリゴリ』の正体、そして安全な対処法について、専門的な視点から解説します。」

なぜ、首や耳周りは安易に押してはいけないのか?

首から耳にかけてのエリアは、非常にデリケートな場所です。ここには、重要な神経や血管が複雑に走行しています。

安易にグリグリと押したり揉んだりする行為は、これらの神経を直接圧迫し、傷つけてしまうリスクと隣り合わせです。押している時に感じる「痛気持ちいい」感覚は、実は体が発している危険信号かもしれません。

「少し楽になった気がする」と感じるのは、一時的な対症療法に過ぎないことがほとんどです。不調には必ず根本的な原因があります。その原因を探らずに、ただ症状が出ている場所を押すだけでは、根本解決にならないどころか、問題をさらに複雑化させてしまう可能性があるのです。

知っておきたい具体的なリスク:顔面神経と自律神経への影響

参考ネッターアトラス、顔面神経の枝、くまのて接骨院イラスト、転載禁止、コピー禁止
これは顔面神経の図ですが、(図内に施術範囲とありますがこれはこの記事とは関連ありません。)

特に注意したいのが、耳のすぐ前あたりを通る顔面神経です。これは顔の表情を作る大切な神経ですが、非常にデリケートです。

この部位に表面的に低周波などの電気を流すだけで、顔面の筋肉がピクピク動きます。指で強く押すという行為は、それ以上に簡単に神経を損傷させる危険をはらんでいます。

「顔面神経がダメージを受けると、顔の動きに影響が出るだけでなく、関連する他の神経にも悪影響が及び、自律神経のバランスが崩れてしまうこともあります。

さらに、脳の働きにも影響が出かねません。本来、体のどこかに異常があれば、その情報は神経を通して脳に正確に伝えられます。しかし、手で強く押すなどの不適切なマッサージによって神経の情報伝達が混乱すると、脳は『異常がある』という信号は受け取るものの、どこがどのように問題なのかを適切に認知できなくなってしまうのです。

脳が一種の誤認を起こし、危険信号に対して過剰に反応することで、常に興奮状態を作り出してしまうことがあります。その結果、体が十分にリラックスできず、例えば眠れなくなるといった自律神経系の不調につながる可能性も考えられるのです。」

胸鎖乳突筋を揉むことへの影響

基本的に筋肉も揉んだり押したりしてはいけません。筋肉は張力には強い構造ですが圧にはとても弱い構造です。揉むことで簡単に筋肉組織を損傷し、それがきっかけで首が回らなくなったり、不調が悪化することになりかねません。

気になる『コリコリ』、潰そうとしていませんか?

「耳の周りにコリコリしたものがあって、これをゴリゴリほぐしていませんか?」

しかし、その『コリコリ』、本当にただの”コリ”でしょうか? 覚えておいてください。その『コリコリ』自体が悪さをしているのではありません。

多くの場合、問題なのはその周辺組織で起きている『炎症』です。コリコリを感じる場所やその周りが、気づかないうちに腫れていたり、むくんでいたりするのです。

炎症を起こしている部分を、さらに強く押したり、ましてや『コリコリを潰そう』などとすれば、炎症は悪化し、痛みや不調はさらに強くなるでしょう。絶対にやめてください。しかも、それが根本原因とはならないのです。

また、押すことで脳はそこに問題があると誤認し続けます。そこに執拗にこだわることは、今度は精神的な不調へと繋がりかねません。

結局、知識なく触れるのは「百害あって一利なし」

顔面神経、炎症、脳の誤認… 少し難しい話に聞こえたかもしれません。もし「よく分からないな」と感じたなら、それこそが「専門知識なく安易に触れるべきではない」という何よりの証拠です。

施術のプロから見れば、その一押しが誤りであることは瞬時にわかります。しかし、ご自身ではその判断はできません。

その情報、本当にあなたを治す情報ですか? - ネット情報の罠

では、なぜリスクを冒してまで自己流のマッサージを試してしまうのでしょうか。多くは、つらい不調を抱え、藁にもすがる思いでインターネット検索してたどり着いた情報なのではないでしょうか。

しかし、ネット上、特に無料で手に入る情報が、必ずしもあなたを「治す」ための正確な情報とは限りません。むしろ、読者の目を引くためのキャッチーな情報、時には不正確で過剰な情報であることも多いのです。

残念ながら当院では、「ネットで見た方法を試したら、かえって悪化した」という患者様にお会いする機会が後を絶ちません。「治すための情報」ではなく「目を引くための情報」に惑わされないようにしましょう。

こんな症状が出たら要注意!

もし、首の痛みや耳周りの不調に加えて、以下のような症状が出ている場合は、安易なセルフマッサージはすぐに中断し、状態を注意深く観察してください。

  • めまい、ふらつき
  • 原因不明の頭痛
  • なかなか寝付けない、眠りが浅い(不眠)

これらは、神経系への影響が出ているサインかもしれません。

それでも「何かしたい!」あなたへ:安全な代替案『アイシング』

アイシング

「押したり揉んだりはダメでも、何かできることはないの?」 その気持ちはよく分かります。そんな時におすすめなのが『アイシング(冷却)』です。

炎症が起きている、あるいは熱感がある場合に、患部を冷やすことは有効な対処法の一つです。冷やすことで、体はその部分を温めようと反応し、血流を変化させ、結果的に炎症を抑制する働きが期待できます。

耳の前や、首の後ろ(後頭部の付け根あたり)などを、10分ほど試しに冷やしてみてください。最近では、100円ショップなどでも冷凍庫に入れてもカチカチに硬くならないタイプの保冷剤が手に入ります。

結論:あなたが本当に探すべきもの

アイシングはあくまで応急処置、対症療法です。不調を根本から改善するためには、その原因を見つけ出す必要があります。

あなたが時間とコストをかけるべきなのは、自分でツボやコリコリを探す時間ではありません。あなたの不調の根本原因を見つけ出し、的確なアプローチができる『信頼できる施術者』を探すことです。

本当に信頼できる施術者であれば、むやみやたらに多くの場所を押したり揉んだりしません。大抵、的確な1~2箇所へのアプローチで体の変化を促します。

口コミの数だけにとらわれず、職人気質の施術者を見つけることが、改善への一番の近道となるでしょう。


【免責事項】 この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の症状に対する診断や治療を推奨するものではありません。症状が続く場合や悪化する場合は、必ず医療機関や信頼できる専門家にご相談ください。 (くまのて接骨院)

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