- PATIENT
- サッカー少年(小学生)
- COMPLAINT
- ボールを蹴る際、右股関節の前側に走る痛み
- ROOT CAUSE
- 巻き肩による姿勢の崩れ(右胸部の硬結)、不適切な靴のサイズ
Introduction
「ボールを思い切り蹴ると、股関節が痛い」
そう訴えて整形外科に行くと、大抵はこう診断されます。
- グロインペイン症候群
- 肉離れ
- 単純性股関節炎
- 恥骨結合炎
難しい病名がつけられ、湿布を渡され、「しばらく練習を休んで様子を見ましょう」と言われる。 しかし、これらはいずれも「結果(炎症が起きている場所)」の名前であって、「原因(なぜ痛くなったか)」ではありません。
当院では、医学の常識的な枠組みを超え、「なぜ、その子だけが痛くなったのか?」を創造的な視点で深掘りします。
01. ANALYSIS「結果」ではなく「原因」を診る
一般的な感覚では、「股関節を痛めたなら、股関節の筋肉を治せばいい」と思うでしょう。しかし、それは火事が起きているのに、火元を探さず必死に煙を追い払っているようなものです。
当院のHPを詳しく読んでくださっている方ならご存知かと思いますが、痛みの原因は主に5つのタイプに分かれます。その中でも特に多いのが**「歪み」と「循環障害」**です。 生活習慣や体の使い方のクセが「火元」となり、結果として煙が上がった場所が「股関節」だったに過ぎません。
ここを突き詰めずに、患部の炎症だけを抑えても必ず再発します。 成長期の貴重な時間を、繰り返す痛みで棒に振る。そんな事態を避けるためには、痛みの「本当の正体」を見抜く必要があります。
02. ROOTS見落とされていた「右肩」と「靴」
今回、私が注目したのは股関節そのものではなく、全く別の場所でした。
1. 大きすぎる靴
「すぐに大きくなるから」と、大きめの靴を履かせていませんか? 靴の中で足が遊んでしまうと、無意識に指先で踏ん張ったり、変な力が入ったりして姿勢が歪みます。理想は**「実寸+0.5cm以内」**。これ以上大きいと、パフォーマンスを下げるだけでなく怪我の温床になります。
2. 巻き肩と姿勢の崩れ
学校での長時間の座り姿勢や、ゲーム中の猫背。これらによってお尻の筋肉が固まり、さらに肩が前に入り込む「巻き肩」になっていました。
「姿勢が悪いから痛めるんだよ」 そう説明しても、多くの人は「姿勢と股関節に何の関係が?」と首をかしげます。しかし、人間の体はすべて繋がっています。特に私の長年の臨床経験上、**「右股関節の不調は、右胸部(右肩)の歪みとリンクする」**という明確なパターンがあります。これは自律神経や体の構造的な連動性からくる、確かな事実です。
03. APPROACH患部に触れず、痛みを取る
私は今回、痛がっている股関節には触れず、**「右胸部(鎖骨周囲)」**へのアプローチを行いました。
右肩が内側に入り込んでいたため、胸の前の筋肉の硬結(コリ)を取り、弾力を取り戻す施術を施しました。 やったことは、それだけです。
「さあ、動かしてみて」 そう言って動作を確認すると、その子の痛みは不思議と消えていました。
ご本人も親御さんも驚かれていましたが、私にとっては魔法でもなんでもありません。 巻き肩が解消され、上半身の歪みが取れたことで、股関節にかかっていた無理な負担が消えた。論理的かつ創造的に考えれば、当然の結果なのです。
04. MESSAGE「治った」と誤解しないでほしい
その子は痛みがなくなり、無事試合に出て勝利を掴むことができました。 その成功体験こそが、子供の成長には何よりの栄養です。
もしあの時、「グロインペインだから」と患部だけに湿布を貼って誤魔化していたらどうなっていたでしょう? おそらく痛みはすぐにぶり返し、次は歩くことさえ困難な、より深刻な状態になっていたはずです。
「なぜ痛くなったのか?」 それを突き詰めることは、決して遠回りではありません。 お子さんが大好きなスポーツを全力で楽しめるように、私たちは「痛み」という結果だけでなく、その奥にある「原因」と向き合い続けます。
