捻挫の癖の理由として一番あげられる要因に、靭帯が伸びたや切れたことで、関節が不安定となり捻挫しやすくなると言われたりしますが、果てして本当にそうでしょうか。
当院が見てきた中では、足首の靭帯損傷による動揺性の問題よりも、根本にある原因があるように思います。
それは再発以前に、なぜ捻挫を起こしたのか?という問題に起因します。
捻挫を起こすことで、足首自体の構造的な問題はもちろん改善しなくていけませんが、靭帯を損傷した動揺性よりもまず、『なぜ捻挫をしたのか』という問題について対処することが、一番大事なことであり、それは自分自身の足首の構造的な問題ではなく、靴の問題が足首の捻挫と深くかかわることを知る必要があります。
捻挫後の再発予防についても、いろいろとお伝えしたいことはあるのですが、靴が原因で捻挫癖を起こす場合には、その問題の解決が最優先で行われる必要があります。
靴の問題
一番はじめに捻挫する理由として、大きな問題はやはり靴に起因する問題です。
ただ、これは適切な靴を探すことは簡単ではありません。
足の構造は皆違うからです。
したの図は左からエジプト型・ギリシャ型・スクエア型となります。

靴の長さ
まず靴のサイズの長さを選びます。メーカーや足の形によっても違いますが、足のサイズを計り、おおよその靴のサイズを把握しておきます。
例えば、足のサイズを測ったら20cmだったとします。
実際に靴を選ぶ際は0.5cm大き目を推奨されますが、なるべく足のサイズ感に近い靴を探すことが大切です。
靴を履き、紐を縛り、立った際に足の指を動かしてみて、動かしやすく指が当たらないサイズ感がちょうどよいです。
逆に、つま先立ちが出来にくく、かかとを浮かせたときに、靴の中でかかとに隙間だ出来ていたりする場合には、やはり靴自体が大きいです。
もしサッカーをやっていて靴が大きい場合には、地面を蹴るようになってしまいます。
それ以外にも、階段を登る時にも足先が当たり転倒しそうな場合にも、靴が大きいといえます。
うちの子はよく転ぶという場合には、まず靴のサイズを見直してみてはいかがでしょうか。
メーカーによって、必要以上に足の中のサイズよりも外側全体の靴のサイズが大きいことがあります。靴を大きくして安定感を作っているのかもしれませんが、運動するには注意がいります。
靴の横幅
次に横のサイズですが、アーチがつぶれていたり、足がむくんでいる際には、自分の足は幅広だと錯覚を起こしているケースもあります。
基本的には、しっかりフィットさせて、靴紐で調整していくことが望ましいです。
必要以上に横幅が大きいものを選んでしまうと、着地しようとしたときに、自分の感覚よりも先にサイドの足裏があったってしまうことになるので、その分、捻挫しやすくなります。小指側のすぐ下にソールがあれば、それは自分の足幅にあった着地感覚となりますが、少しでも大きい場合には、注意が必要です。
靴のサイズが自分の感覚よりも必要以上に幅が広い場合には、捻挫をしてしまいます。
靴を履きこなすことが大切で、靴に履かれるような状態は捻挫の原因になりますので、ご注意下さい。
カカトの大きさ
カカトが大きい靴を履いているケースも大変多いです。
靴ひもならまだ調整出来ますが、マジックテープなどでは調整できません。
明らかに靴の履き口と足首にフィット感がない場合に、カカトや足首に必要以上に負担がかかり、関節に負担がかかる原因になります。
靴の中でカカトが遊んでしまう状態で生活や運動をつづけることで、姿勢が悪くなったり、身体が固くなったり、股関節が固くなります。別のケガの要因になりかねませんのでご注意下さい。
小さ目の方が捻挫しにくい?
サッカーなどは特にフィット感を重視して、足のサイズと靴のサイズがほとんど変わらないくらいのフィット感が選択されてますよね。
逆に、バスケなどは元々全体的に靴が大きくなりがちです。
自分の感覚以上にソール(靴の足裏)が長く広い場合に、ケガに繋がりやすいのだと思います。特に子供は、自分の体より大きすぎる靴の場合には、靴のなかで足が遊んでしまいます。
身体の歪みにも繋がるので、なるべくフィット感のあるものをおすすめします。
指が使えていないことも問題
裸足感覚がない状態で、ずっと靴を履いてきた(履かされてきた)と思うのですが、小さいうちから指が自由に動かない子や親指と人差し指が重なったり、指が広げられない子が多いです。
実際に、アーチがつぶれてしまえば、そのアーチ分足の長さは長くなります。
そのアーチがつぶれた足に靴を合わせるために、更に大き目の靴を選択していることもあります。
例えば、私はエジプト型で指自体も長いタイプです。
普通に測れば26cm~26.5㎝の足の長さですが、そこから指を曲げれば24.5cmの長さまでコンパクトに出来ます。靴のサイズは26.5cmです。(以前は27cm履いていた時期もあったのですが、感覚的に捻挫やケガに繋がることが多かったです。足がむくんでいる場合にも大きくなるので注意がいります。)
このように靴の中でも指を曲げるような動きが実際に行われるはずなのですが、大きすぎる場合や裸足感覚がない場合には、どんどん足自体も歪みが生じて偏平足になったり、外反母趾になったりしてしまいます。
指を曲げて使う感覚を養うために、タオルギャザーや指歩きなどのトレーニングもおすすめです。
足裏感覚を高め、靴を履きこなしましょう。


もう私の足は大きくなることはないですが、足がむくんだり、アーチが崩れればその分大きな靴が必要となってしまいます。逆にしれば足の歪みに繋がったり、疲れに繋がったりします。指をしっかり使えればアーチが作られ、足首も安定します。
逆に指が使えず、常に伸ばしっぱなしで使うような癖がついている場合には、足首は不安定となり捻挫やケガに繋がりやすくなります。
靴選びはとても難しいですが、色々なメーカーの靴やサイズを試し履きしてみることをおすすめします。そのほかの靴と比較出来ることで、良い悪いを判断することが出来ます。
子供の靴選びも成長期においても伸長なる必要があります。足裏が硬すぎものやカカト部分が広いものも多いです。裸足で指を使うことも少ないので、靴だけ変えれば済む問題だけではないことも多いです。
靴を選ぶというよりも足を作ることの方が、優先的に取り組む課題になるかもしれません。