通常の足首の捻挫であれば、徐々に痛みは引き治癒しますが、1か月も痛みが治らないケースでは、対処法を間違えていたり、損傷組織を見落としていることがありますので、以下をご確認ください。
『捻挫と診断された』『固定期間が2~3週間と長かった』など、初期対応に問題がある場合に、長引くことがあり、捻挫を早く治すには、まずは損傷組織を特定することが大切です。
捻挫の場合の軟部損傷組織
- 靭帯
- 筋腱
- 骨膜
- 関節包
- 神経
などで、捻挫のような激しく関節が可動範囲を超えてしまった場合には、ひとつないし複数の組織の損傷が同時に起こっていることが多いです。
捻挫が1か月も治らない場合には、まずは痛めた組織を把握することが大切です。
足首捻挫の痛みの原因とは
捻挫の損傷は靭帯損傷だけではないことを説明したきた過去の内容も参考にしてください。
捻挫=靭帯損傷ではなく、捻挫=軟部組織損傷であり、軟部組織損傷=靭帯や筋腱や関節包や軟骨があり、捻挫は骨折以外の軟部組織損傷であるという認識が必要です。
ただ多くの場合に、骨折はしていないから『捻挫だね』といわれてしまいます。
捻挫の原因は前脛骨筋腱筋腱

捻挫の場合には、上の写真のような部位が腫れることが多いです。
これは前脛骨筋腱を損傷している場合にみられるため、前脛骨筋腱に対して適切な処置を行わないと痛みが長引き、いつまで経っても治らないことになります。
捻挫の出血の有無でもわかる
腫れの出方でも骨折してるかどうか指標になります。
内出血が多い場合には、骨折していることも多いですが、残念ながらレントゲンでもわからないような骨膜(骨の表面)の損傷のケースもあるため、やはり触診により骨に痛みがあるかどうか把握することことが必要です。
例えば
下のような腫れ方の場合にも腓骨上を押すと圧痛が見られ、腓骨が若木のようにしなったのではないかと判断出来ます。
炎症部位を適切に対処することで早期改善可能です。

若木を折ろうとしても、手では折れないですよね、それだけ骨も同様にしなるのですが、そのしなりで内部の構造的には問題は生じなくても表目上には損傷が見られるのと似ています。

1か月も足首の捻挫が治らないまとめ
次に、1か月痛みが続くようなら捻挫後の処置やリハビリにも問題があります。
- 必要以上に固定期間が長くなかったですか?
- 納得した診断名を言われましたか?
- ただの捻挫という診断をされませんでしたか?
- 骨の痛みを触診で確認されましたか?
- 画像診断だけで捻挫と言われませんでしたか?
- リハビリは可動域を確認しましたか?
- 腫れや痛みのある部位を施術者は理解していましたか?
痛みの改善には、様々なスキルが必要です。
ただ、安静にして放置しているだけで、身体は完全に修復してくれるわけでなく、自然に治癒が生じやすい状態に、身体を整えることで治癒が高まります。
捻挫には、靭帯だけでなく、筋腱や骨膜などの損傷も含まれることを理解できれば、適切な対処も可能です。