またひとつ、町のお店がなくなっていく。
ふと通りを見渡すと、右を見ても左を見ても、見覚えのあるチェーン店の看板ばかりが立ち並ぶ。そんな時代が、もうすぐそこまで来ているように感じます。
昔は違いました。 接骨院も、美容室も、町のイタリアンも。 看板には店主の名前や、その人が大切にしている言葉が掲げられ、そこには「個」の信条や想いが溢れていました。
もちろん、チェーン店を否定するつもりはありません。 私自身、サイゼリヤやスシローの企業努力には敬服していますし、美味しいとも思います。ただ、その「均一化」の波が、何年も前から私たち接骨院業界をも飲み込みつつあることに、少しだけ寂しさと危機感を覚えているのです。
「検索順位」という名のゲーム
ご存知でしょうか。 今、ネット検索で上位に表示される接骨院の多くは、巨大なグループ院です。
彼らは「SEO」というネット上の陣取り合戦において、圧倒的な強さを持っています。口コミの数、認知力、広告費。これらを武器に、地域の検索順位を塗り替えていきます。
私たち個人院がそこで戦おうとすれば、「ニッチ」を狙うしかありません。 「青葉台 接骨院」という大きなキーワードではなく、「肉離れ 青葉台」のように、より細かい悩みを持つ人をターゲットにするのです。
そのために何をするか。 ページ内に検索されそうな言葉を散りばめ、「権威性」を高めるために医師やアスリートからの推薦状(……実を言うと、これらはお金を払えば解決できてしまうことも多いのですが)を並べ立てる。
私もかつて、この「SEO対策」というゲームに、どこか熱中していた時期がありました。 検索順位が上がることをレベルアップのように楽しみ、検索されるキーワードを調べては、それに合わせて記事を書く。
しかし、ある時ふと気づいてしまったのです。 「私の書いている記事は、本当におもしろいか?」と。
原点回帰
昔の自分のブログを読み返すと、そこには拙いながらも「書くこと」を楽しんでいる自分がいました。 しかし最近の記事はどうでしょう。「キーワードが〇〇だから」と無理やり構成された文章には、体温がありません。(まだリニューアル前の記事が残っているので、探せばそんな面白みのない記事が見つかるかもしれません)
だから、今回のHPリニューアルを機に、私は決めました。 検索エンジンのご機嫌取りをするのは、もう終わりにします。
「知られること」より「知ること」
ビジネスの世界には「認知戦略」という言葉があります。 どれだけ良い技術を持っていても、知られなければ存在しないのと同じ。だから看板を出し、テレビに出て、無意識のうちに記憶に刷り込む。
有名な「きぬた歯科」さんの看板戦略などは、その最たる成功例でしょう。ビジネスとして、それは極めて正しく、素晴らしい戦略です。
けれど、くまのて接骨院は、そして私・熊谷卓眞という人間は、少し彼らとは違う生き物のようなのです。
多くの人に認知されたいという欲求よりも、 「目の前の人の痛みの原因を、もっと深く知りたい」 という探求心の方が、どうしても勝ってしまう。
集客のために看板を増やす時間があるなら、医学書を読み、解剖図を見つめ、なぜその痛みが起きたのかを思考し続けたい。それが私の原動力なのです。
正しい情報を、必要な人へ

多くの院が「認知」を競い合う中で、私はこれから「真実」を書いていこうと思います。
インプットし続けてきた身体の仕組み、臨床の現場で起きた事実、教科書には載っていない身体の連動。 それらを、検索キーワードなど気にせず、書きたいように書いていく。
その結果、くまのて接骨院が少しづつ広がっていく。というよりも、正しい知識が広がっていくことの方が本望といえます。 ただ、この記事にたどり着いたあなたが、「正しい情報」に触れ、何かを感じ取ってくれるなら、それが本望です。
これからは、SEO(検索順位)のための記事ではなく、 あなたに届けるための「Director's Eye(院長の視点)」を綴っていきます。
