前回の記事(股関節の前側がつまる人が、絶対にやってはいけない「2つのストレッチ」)で、股関節の「つまり感」がある時にストレッチをしてはいけない理由をお伝えしました。
では、なぜあなたの股関節は詰まってしまったのでしょうか? 「運動不足?」「年齢のせい?」
いいえ、違います。 その「つまり」の背後には、レントゲンには写らない身体の機能不全と、「鎖骨(さこつ)」から始まる意外な連鎖が隠されています。
今日は、多くの人が見落としている(あるいは病院では教えてくれない)股関節の真実についてお話しします。
1. レントゲンに写らない「異常」の正体
「股関節が痛い」と言って整形外科に行き、レントゲンを撮る。 そして医師からこう言われたことはありませんか?
「骨には異常ありませんね。様子を見ましょう」
患者様からすれば、「異常がないなら、なぜ痛い(詰まる)んだ?」と不安になりますよね。 実は、ここには大きな誤解があります。
「構造」と「機能」の違い
レントゲンで見ているのは、あくまで**「骨の形(構造)」**です。
- 骨が変形していないか?
- 軟骨がすり減って隙間がなくなっていないか?
確かに、変形性股関節症が進行して骨同士がガチガチに固まっていれば、画像に写ります。 しかし、多くの「つまり感」レベルの症状は、まだ骨の変形までは進んでいません。
起きているのは「機能障害(ロッキング)」です。 骨の形は綺麗なのに、動きの軌道がズレてしまい、ドアの蝶番が噛み合わないようにロックがかかっている状態。 これは、静止画であるレントゲンには写りません。
「画像に異常がない = 何も問題がない」ではありません。 「まだ骨は無事だが、動きは死んでいる」という、身体からのSOSなのです。
2. 真犯人は「鎖骨」に潜んでいる
では、なぜ股関節の軌道がズレてロックするのか? ここからが、当院が臨床で突き止めた「真実」です。
股関節のつまりを訴える患者様の身体を調べると、ある共通点が見つかります。 それは、股関節とは遠く離れた「鎖骨(さこつ)周囲」のガチガチな緊張です。
「足の付け根の話なのに、なぜ首元?」 そう思うのが普通ですが、解剖学的に見ればこれらは密接に繋がっています。
負の連鎖(ドミノ倒し)

- 鎖骨のロック: デスクワークやスマホ、ストレスなどで鎖骨まわりが固まると、呼吸が浅くなります。
- 自律神経の乱れ: 首元(迷走神経など)が圧迫され、自律神経のバランスが崩れます。
- 内臓機能の低下: 自律神経が乱れると、胃腸の動きが悪くなり、**お腹の深部がむくみ(内臓疲労)**を起こします。
- 股関節のロック: お腹の奥には、腰骨から股関節へ繋がる唯一の筋肉「大腰筋(腸腰筋)」があります。内臓のむくみがこの筋肉の働きを阻害し、股関節を正しい位置で動かせなくしてしまうのです。
つまり、**「鎖骨 → 自律神経 → お腹 → 股関節」**というドミノ倒しの結果が、今のあなたの「つまり感」なのです。
3. 「腰痛・膝痛」の震源地になる
この状態を放置するとどうなるか。 股関節は、身体の中で最大の「クッション」であり「軸」です。
このクッションがロックされて動かなくなると、歩くたび、動くたびにかかる衝撃はどこへ行くでしょうか? すぐ上にある「腰」と、すぐ下にある「膝」です。
- 治らない慢性腰痛
- 原因不明の膝の痛み
これらに悩む方の多くが、実は「股関節の屈曲(90度以上曲げる動き)制限」を持っています。 ご本人は腰や膝が悪いと思っていますが、震源地は「動かなくなった股関節」にあるのです。 ここを解除しない限り、いくら腰を揉んでも、膝に電気をあてても、痛みはまた戻ってきます。
4. 患部を触らずに「即効」で治す理由
当院の施術を受けた方は、よく驚かれます。 「股関節が痛いと言ったのに、先生は鎖骨やお腹ばかり触る」と。
そして、施術が終わって膝を抱えてみると、 「あれっ!? 詰まらない!ペタッと曲がる!」 という現象が起きます。
これは魔法でも気功でもありません。 先ほどの「根本原因であるドミノの最初(鎖骨・自律神経)」を解除しただけの、解剖生理学的に正しい結果です。
股関節という「被害者」を揉むのではなく、鎖骨やお腹という「加害者」を取り押さえる。 これが、当院が長年の臨床でたどり着いた、根本改善の答えです。
5. 最後に:その違和感を見逃さないで
もし、あなたが「90度以上曲げるとつまる」と感じているなら。 それは、「まだ変形していないから大丈夫」ではなく、「今ならまだ、変形を防げる」というラストチャンスです。
この段階で適切な処置(ロックの解除)を行えば、将来の変形性股関節症や、慢性的な腰痛のリスクを劇的に減らすことができます。
レントゲンには写らない異常を見つけ出し、身体の奥にあるスイッチを切り替える。 その技術が、当院にはあります。 「ただの硬さ」だと諦めず、一度ご相談ください。
