その肘の違和感、間違えたケアで悪化させていませんか?
野球肘とよく聞きますが、これは肘のケガの総称です。今回は内側型の野球肘の症例について解説いたします。
- そこまでひどくはないけど、なんか肘に違和感がある…
- なんか少し伸びにくく、曲げにくい…
- まだ違和感が始まったばかりだし、「ケガをした」と中々いえない空気がある…
もし、この記事を読んでいるあなたが、このような状況で悩んでいて、自分で治そうとケアをしているなら、その間違えたケアで症状を悪化させているかもしれません。
投球フォームの前に、身体に起きていること
一般的に野球肘は「投球フォームが原因」といわれることが多いのではないでしょうか。しかし、当院で見てきた限り、投球フォームを議論する以前に、すでに身体の可動域に明らかな低下がみられるケースがほとんどです。
その状態で練習を続けたり、ケアやトレーニングの仕方を間違えたりすることで、痛みは引き起こされます。
当院の見立て:問診と姿勢分析で見抜く“痛みの本当の犯人”
今回ご紹介する高校生の選手も、肘の内側の痛みがいつから始まったか尋ねると「?」となり、随分前から違和感はあったものの、プレーできなくはないからと、だましだまし自分なりにケアを続けていたことが分かりました。
姿勢チェックをすると、肩の可動域に異常が見られましたが、原因は肩だけではないことは明らかでした。そこで手首のチェックをすると、問題は「手首」にあることが姿勢分析で分かります。
すぐにどうやってケアしているか聞くと、壁や床で前腕の筋肉(前腕屈筋群)を自己流で伸ばしていることが分かりました。
このように、ひとつひとつ問診とチェックを重ねていくことで、原因を正確に特定できるのが当院の特長です。
この選手の場合、「野球肘=内側の前腕が硬いからだ」と思い込み、その部分を熱心に伸ばしていました。しかし、ストレッチには良いストレッチと悪いストレッチがあり、間違えたやり方で続ければ、筋腱を傷つけ、肉離れを起こしてしまいます。
まさに、その微細な肉離れが肘の内側で起こり、組織が硬くなる(硬結)ことで、可動域の低下や違和感がずっと抜けない状態になっていたのです。
遠方の選手だからこそ、一度で見抜き、的確に処置する
この原因を瞬時に見抜くことがとても重要です。
今回の選手は少し遠方の高校に通っていたため、なるべく一度で原因を見抜き、的確に施術をする必要がありました。これも、当院の姿勢チェックで客観的に身体の状態を把握できるので、落ち着いて対処することができます。
今回の施術アプローチ
- 近赤外線照射: 痛みの原因である肘の内側部に15分、そして検査で所見がみられた胸筋部に10分照射しました。胸筋部の所見のように、可動域の低下から様々な問題の繋がりを把握することができます。
- ストレッチ指導: 本当に効果のある、正しい前腕のストレッチの仕方を指導します。(前腕のストレッチは基本なので、以下のリンク先がとても勉強になると思います。特に協力筋について)
協力筋を意識したストレッチの例


おわりに:情報に惑わされず、自分の身体と向き合うために
私は、スポーツが選手にとってより良いものになることを心から願っています。
しかし、現代は情報が混沌としており、ご自身で本当に良い対処法を見つけるのは現実的ではありません。特に高校の部活動は実質2年ちょっとしかありません。だからこそ、信頼できる施術者に見てもらうのが一番です。
ですが、有名だから、口コミが多いから、という理由だけで良い施術者と出会える時代ではなくなりました。もし、何らかの形で当院を見つけてくださったのなら、是非ちょっとした痛みでもご相談ください。
野球でお困りでしたら以下の症例レポートも✔してください。