アイシングの効果と正しいやり方
1. アイシングとは?
アイシング(冷却療法)は、損傷や炎症のある部位を冷却することで、痛みや腫れを軽減し、治癒を促進する方法です。一般的にアイシングは局所冷却療法として行われ、自宅でも手軽に実践できます。
2. アイシングの基本的な効果
- 血管収縮: 冷却により血管が収縮し、血流が減少することで腫れや内出血を抑える。
- 血流改善: 冷却後に血管が再び拡張し、血流が改善されることで、老廃物や毒素が排出される。
- リンパ促進: リンパの流れが促進され、体内の余分な液体が排出される。
- 疼痛緩和: 冷却によって神経の興奮が抑えられ、痛みが軽減される。
- 自律神経の調整: 冷却により、自律神経系が整えられ、体調の改善が期待できる。
3. アイシングのやり方
- 必要なもの: ビニール袋(厚手)、氷、タオル(冷却効果を高めるため)
- 方法:
- ビニール袋に氷を入れ、厚手のものを選ぶことで破れにくく、冷却効果を持続できる。
- 氷は直接肌に当てるのではなく、ビニール袋越しに当てる。
- 10〜15分を目安に冷却し、その後は必ず温めることで血行を促進する。
- 冷却中は氷で軽くマッサージしながら使用するのが効果的。
4. アイシングの注意点
- 強く当て過ぎない: 強すぎる圧力をかけると筋肉に痛みが生じることがあるため、優しく当てること。
- 凍傷に注意: 長時間冷却し続けると凍傷の危険があるため、適度に冷却する。
- タオルの使い方: タオルを挟んでアイシングすると、冷却効果が低下する可能性があるため、直接当てるのが理想。
アイシングのメリットまとめ
痛みを伴っている部位の多くは炎症を起こしています。血行が阻害されることでその周囲に二次的な血行不良が起こるためアイシングは有効です。
筋肉が損傷した場合には内出血が起こりますが、その内出血が引かずにその他の神経や血管細胞に阻血状態や圧迫が加わることで二次的な痛みや炎症に繋がっていきます。そこでアイシングをすることで拡張した血管を収縮させ、炎症を起こしている細胞を止血し腫れの抑制や鎮痛作用に繋がり治癒が早まることが考えられます。
ねん挫や肉離れを経験したことがある人ならわかるかと思いますが、損傷後数日経つと出血が表面に出てくるために青あざの色が濃くなっていきます。内出血はなるべく早めに表面に出てきたほうが治癒も早いのですが、この出血が深部に停滞してしまうと、二次的な血行不良を招くために治癒にとても時間がかかるようになります。
冷却効果の作用
血行は横方向に流れるだけでなく深部から表層に流れそこから横に流れていくようなイメージです。
表面から皮膚→真皮→皮下組織→筋肉となります。皮下組織→真皮になるにつれ血管も細くなっていきます。その中でも真皮の乳頭層といわれる部位は表皮に血液を促す大事な部位といわれています。
表層に近い部位をアイシングすることで、新陳代謝を促し、血行の滞り(つまり)を解消することが出来ると考えます。(表層側が出口と考えれば、出口側詰まっていればどうなりますか?血行は流れていかずに炎症も停滞してしまいます。血液が停滞すると細胞も壊死します。)表皮周囲の血管が拡張し、熱を持っている場合には血液も停滞し、血行を促す事も出来なくなります。
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まとめ
表層の血行を改善することは大切です。アイシングを行うと発赤といって皮膚が赤くなりますよね。それは表層の毛細血管が拡張しているサインなので、実は血行がよくなっています。アイシングによって一時的に血管は収縮する事も考えられますが、その後に血行が促されて行きますので問題ありません。
ただ、凍傷には注意が必要なため、凍傷になる原因は、氷の表面について霜が原因です。霜を逆の手で溶かしながらアイシングをすることで凍傷を防ぐことができます。