良かれと思ってやっている、寝る前の首ストレッチ。実はそれが、あなたの眠りを妨げているかもしれません。なぜ、安易なストレッチが自律神経を興奮させるのか?横浜市青葉区の専門家が、身体を痛める前に知るべき、たった一つの真実を解説します。
はじめに:「良かれ」が、身体を壊す
YouTubeやテレビでよく見る、首をゆっくり横に倒すストレッチ。 特に「自律神経を整える」「寝る前のリラックスに」と紹介されていることも多いですよね。
しかし、日々患者様の身体と向き合う施術者として、私はここに強い警鐘を鳴らさなければなりません。 その「良かれ」と思ってやっているストレッチが、実はあなたの自律神経を興奮させ、眠りを妨げている危険な罠かもしれないのです。
ご安心ください。この記事を読めば、なぜそれが危険なのか、そして本当の解決策はどこにあるのか、そのすべてが分かります。
なぜ、安易な首ストレッチは危険なのか?|腕神経叢への過剰な伸長ストレス
あなたの首筋から腕にかけては、**腕神経叢(わんしんけいそう)**と呼ばれる、脳と腕を繋ぐ重要な神経の束が通っています。
しかし、ある特定の条件下で首をストレッチするのは、この繊細な神経の束に、過剰な伸長ストレスをかける危険な行為に変わります。
その危険な条件とは、
- 肩が内側に巻いてしまっている(巻き肩)状態で
- 首が前に倒れている(ストレートネック)状態で
- もともと、なで肩の傾向がある方の場合 です。
【院長が解説】特に注意すべき、2つのNGストレッチ
例えば、以下のようなストレッチは、先ほどの危険な条件に陥りやすく、特に注意が必要です。


これらの状態で無理に首を横に倒すと、腕神経叢が過剰に引き伸ばされ、神経が興奮状態に陥ります。その結果、身体はリラックスするどころか、防御反応として交感神経が優位になり、かえって緊張を高めてしまうのです。
逆に言えば、これらのルールさえ守れば、正しいストレッチは心身をリラックスさせる効果があります。 筋肉は伸ばせば良い、というものではありません。正しく伸ばすことが、唯一の正解なのです。
当院のアプローチ:本当の原因は「首」にはない
だからこそ、私たちは安易に首そのものへのストレッチを指導しません。 なぜなら、首がパンパンに張ってしまうほどの症状の本当の原因は、ほとんどの場合、首以外の場所にあるからです。
- 脇の下のリンパや血流の滞り(むくみ)
- 姿勢の悪さからくる、手足の末端の冷え
- ふくらはぎのむくみが引き起こす、全身の循環不全
これらはすべて、巡り巡って、結果として首に症状が現れているに過ぎません。
私たちの役目は、その大元にある「滞り」や「冷え」を解消することです。原因となっている脇の下や背中、あるいは脚の状態を整えれば、首は自然と楽な位置に戻り、腕神経叢への無駄な緊張も解けていくのです。
まとめ:正しい知識が、あなたの身体を守ります
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
寝る前に行うべきは、間違ったフォームによる興奮リスクのある首のストレッチではありません。まずは、その原因となっている身体の他の部分を優しく整え、安全な状態で首のケアを行うことが重要です。
当院がお伝えすることは、すべて15年の臨床に基づいた、明確な「意図」があります。 もし、ご自身の身体の「なぜ?」をさらに深く知り、根本から見直したいと感じたら、ぜひ一度ご相談ください。