「なかなか治らない鼻づまり」「いつも片側だけ詰まる」—— もしそんな悩みを抱えているなら、姿勢や首・背中のコリが関係しているかもしれません。
本記事では、あまり知られていない「鼻づまりと自律神経の関係」について詳しく解説します。
鼻づまりの原因は「自律神経の乱れ?」
鼻の通りや鼻水の分泌には、自律神経が深く関わっています。
交感神経と副交感神経の働き
神経の種類 | 役割 |
---|---|
交感神経 | 鼻の血管を収縮させ、鼻の通りを良くする |
副交感神経 | 鼻の血管を拡張させ、鼻づまりや鼻水を引き起こす |
つまり、交感神経の働きが低下すると血管が広がり、鼻づまりが起こるのです。
■ 交感神経は「胸椎 T1〜T3」から始まっている

では、その交感神経は体のどこから出ているのでしょうか?
実は、交感神経は背骨の上部(胸椎 T1〜T3)*から出発し、「交感神経幹」という幹線道路のようなルートを通って、顔や鼻の粘膜へと走っています。
【交感神経のルート(イメージ)】
胸椎 T1〜T3(脊髄)
↓
交感神経幹
↓
上頚神経節
↓
鼻の血管・粘膜
このルートがスムーズに働くことで、鼻の血管が適度に収縮し、空気の通り道が確保されるのです。
■ 胸椎や首の「むくみ・コリ」が交感神経の機能低下を引き起こす
しかし、胸椎T1~T3周囲に歪みやコリ、むくみがあると、交感神経の働きが正常に機能せず、
- 交感神経が弱まりすぎて血管が拡張 → 鼻づまり・鼻水が増える
- 交感神経が過剰に働きすぎて血管が収縮 → 炎症が起こり、鼻が詰まる
という悪循環を引き起こします。
なぜ施術をしていると鼻の通りがよくなるのか?鼻づまり改善のカギは?
施術中に患者さんから「鼻が通りました」というのはよくあるのですが、もちろん鼻の通りを良くしようとして施術をしているわけではなく、別の疾患のアプローチをしている時にも、鼻の通りもよくなることがあります。
鼻づまりはやはり循環障害によるむくみなどが大きく関連していることもあり、当院で使用する近赤外線はムクミの改善に効果的なので、それによる効果も大きいと思います。
近赤外線が「鼻づまり改善」に効果的な理由
近赤外線(波長800〜850nm)は、皮膚だけでなく筋肉の深層部や自律神経節まで届く性質があります。
【近赤外線の効果機序】
- 深部筋肉の血流を促進
- 交感神経幹の周囲のむくみ・圧迫を軽減
- 交感神経の働きを正常化
- 結果として鼻の血管収縮 → 鼻の通りがよくなる
つまり、深いレベルから自律神経を整えることで、長年の鼻づまりも改善が期待できるのです。
※星状神経の照射が効果的な理由も上記と同様です。
なので、鼻づまりを解消するためには、とにかく体の滞りを解消することが大切です。
更に、仙骨の問題も身体の循環障害を引き起こします。循環障害は直接問題を起こすわけではありませんが、症状を悪化さる可能性があります。更に仙骨周囲は副交感神経が関連します。自律神経を意識した取り組みをするのであれば、上半身だけでなく、全身へのアプローチは必須であると考えます。
■ まとめ:鼻づまりに悩む人へ「首・胸椎ケア」のすすめ
鼻づまりがなかなか改善しない方は、鼻以外にも首や胸椎周囲の自律神経の流れに目を向ける必要があります。
当院では、近赤外線を使い、胸椎の調整・頸部の調整・胸郭の調整・腹部の調整・仙骨の調整を行うことで根本改善を行います。
鼻づまり解消する際に、自身の滞りの原因を見つめなおす必要があります。ある人は下肢はむくんでいたり、ある人はお腹がむくんでいたり、ある人は首回りがむくんでいたり、人により対策の仕方も変わるということです。特に胸椎は重要であるものの、全身の滞りが鼻づまりに影響していると考えます。