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当院の施術について

【肩甲骨のQ&Aまとめ】その肩甲骨はがし、本当に必要ですか?当院が考える肩甲骨について

2025年9月27日

こんにちは、くまのて接骨院です。

「肩甲骨はがし」という言葉を、テレビやインターネットで頻繁に目にするようになりましたね。長年のつらい肩こりなどに悩む方にとって、とても魅力的な言葉に聞こえるかもしれません。

しかし、当院には**「動画を見てセルフケアを続けたら、かえって首が痛くなった」「良かれと思って運動したのに、症状が悪化してしまった」**という方が、後を絶ちません。むしろそれらが問題ではないことに気付いていないケースも多いです。

なぜ、そのようなことが起こってしまうのでしょうか?

今回は、巷で広まっている「肩甲骨」に関する様々な情報について、多くの方が抱える疑問にQ&A形式でお答えしながら、当院の考え方をお話しします。

肩甲骨に関するよくあるご質問

1. 巷で流行りの「肩甲骨はがし」、やってもいいですか?

A. いいえ、自己流で無理に行うことは極めて危険です。当院では推奨していません。

まず、「はがす」という言葉のイメージに大きな誤解があります。肩甲骨は肋骨に張り付いているわけではなく、文字通りベリベリと「はがす」ようなアプローチは、身体を傷つけるだけです。

本来の目的は、肩甲骨と肋骨の間にある組織の**「潤滑性を上げ、スムーズな動きの遊びをつくる」**ことです。

特に、肩甲骨の内側(背骨側)には多くの神経が通っています。力任せに指を入れたり、無理に動かしたりすることで神経を傷つけてしまうと、それが新たな痛みの引き金になる可能性があります。

2. 不調の原因は、肩甲骨が固いからではないのですか?

A. 多くの場合、肩甲骨の動きの悪さは「原因」ではなく「結果」です。そして本当の土台は「脊柱」にあります。

「肩甲骨が固いから」と考える方が多いですが、そもそも肩甲骨はそれ自体が土台なのではありません。

例えば、肩甲骨に付着する広背筋や僧帽筋といった大きな筋肉は、脊柱や骨盤を土台として腕や肩甲骨に繋がっています。つまり、本当の土台は脊柱であり、その状態が悪ければ、土台の上に乗る肩甲骨の動きも当然悪くなります。

背骨の柔軟性が失われたり、正しい弯曲が崩れたりすることが、上肢への神経や血管の流れを悪くし、結果として肩甲骨周りの筋肉が緊張し動きを制限するのです。土台を無視して肩甲骨だけを動かそうとするのは、建物の基礎を見ずに壁だけを修理するようなものです。

3. ストレッチをすると肩甲骨がゴリゴリ鳴ります。これって効いてる証拠?

A. いいえ、むしろ身体からの危険信号かもしれません。

音が鳴ることを「効いている」とポジティブに捉える方が多いですが、その正体は、固くなった筋肉や腱が骨とこすれる音であることがほとんどです。

それを「気持ちいいから」と繰り返していると、組織に微細な傷がつき、炎症を引き起こす可能性があります。音を鳴らすこと自体を目的にするのではなく、なぜ音が鳴るほど固くなっているのか、その原因を探ることが大切です。

4. 肩甲骨を動かすと痩せるって本当ですか?

A. それだけで痩せる、という魔法のような効果は期待できません。

「肩甲骨周りには褐色脂肪細胞があり、刺激すると代謝が上がって痩せる」という説が有名ですね。理論上は間違いではありませんが、それによって消費されるカロリーは、残念ながらごくわずかです。

肩甲骨を動かすことで姿勢が改善し、結果的に全身の代謝が上がる可能性はありますが、それはあくまで副次的な効果です。本質的な身体づくりには、やはり食事や全身の運動習慣、そして身体の土台を整えることが不可欠です。

5. テレビで見た運動をしたら、逆に痛くなりました。なぜでしょう?

A. その運動が、あなたの身体の「土台」に合っていなかったからです。

残念ながら、すべての人に効果がある万能な運動というものは存在しません。著名なアスリートが実践しているトレーニングでさえ、運動習慣のない一般の方が真似をすれば、怪我に繋がる可能性が高いでしょう。

それは、一人ひとり身体の「土台」が違うからです。

関節の可動域や姿勢、筋肉のバランスといった土台が整っていない状態で、表面的に動きだけを真似しても、身体の歪みを助長し、かえって症状を悪化させてしまいます。一般的に良いとされる「肩甲骨を寄せる」運動ですら、その方の身体の状態によっては逆効果になり得ます。

6. 肩甲骨周りで、特に問題が起きやすい「危険なポイント」はありますか?

A. はい、神経や血管が圧迫されやすいポイントがいくつか存在します。

自己流のケアで特に注意が必要なのは、神経や血管が密集している部位です。代表的なものをいくつかご紹介します。

  • 胸郭出口(小胸筋の下): 猫背などで小胸筋が硬くなると、その下を通る腕への神経や血管が圧迫され、腕のしびれやだるさを引き起こします(小胸筋症候群)。
  • 腋窩四角腔(わきの後ろ): ここを通る腋窩神経が圧迫されると、肩の側面の感覚異常や、腕が上がりにくくなる原因になります。
  • 肩甲骨と肋骨の間: 肩甲骨の動きを司る肩甲背神経が、筋肉の緊張などで圧迫されると、肩甲骨の内側にしつこい痛みやコリ感を生じます。

これらの症状は、ただの「コリ」と放置されがちですが、神経が関わる厄介な問題です。だからこそ、専門家による正確な評価が必要不可欠なのです。

7. くまのて接骨院では、肩甲骨をどのように施術するのですか?

A. 肩甲骨だけを単体で見ることはありません。まず、あなたの身体全体の「土台」から評価します。

当院では、まず丁寧な問診と視診により、あなたの身体の歴史やクセ、そして現在の状態を正確に把握します。

そして、肩甲骨の動きを悪くしている根本原因である**「脊柱のズレ」や「全身の循環不良」**といった土台の問題にアプローチしていきます。部分的な対症療法ではなく、身体の土台そのものを「0から1」の状態に整えていくことで、症状が再発しにくい身体を創ることを目指します。

まとめ:あなたの身体の答えは、あなたの中にあります

メディアの情報に一喜憂憂し、流行りの健康法を試しては落胆する…そんな経験はありませんか?

本当に大切なのは、あなた自身の身体が今どうなっているのかを正しく知ることです。私たちは、そのための道標となり、専門家としてあなたの身体づくりを全力でサポートします。

▼ご自身の身体の状態を正確に知りたい方は、ぜひ一度ご相談ください (ここに予約ページや問い合わせへのリンクを設置)

  • この記事を書いた人

【柔道整復師】熊谷卓眞

身体の“本当の秘密”、知りたくありませんか?あなたの「治りたい」に本気で向き合う、「施術者」です。

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