はじめに:「成長痛だから仕方ない」その一言で、お子様の未来を諦めていませんか?

はじめまして、横浜市でくまのて接骨院の院長をしております、熊谷です。
- 「サッカーの練習中に、腰を反らすと痛むようになった…」
- 「病院に行ったら『成長痛だから、休むしかない』と言われた…」
- 「最近、原因不明の足のだるさや疲れをよく口にする…」
もし、スポーツに打ち込むあなたのお子様が、このようなお悩みを抱えているなら、この記事はあなたのためのものです。
先日も、サッカーを頑張る中学生の男の子が、心配された親御さんと一緒に来院されました。急に腰に痛みが出始め、腰を反らす動作ができない、とのことでした。
「成長痛だから仕方ない」のでしょうか? いいえ、決してそんなことはありません。特に中学生の腰痛は、将来の深刻なケガ(腰椎分離症やすべり症など)につながる、身体からの重要なSOSサインなのです。
一般的な見解と、当院の視点:腰痛は「結果」であり、原因ではない
中学生の腰痛は、しばしば「腰椎分離症(ようついぶんりしょう)」などの疲労骨折が疑われます。これは非常に注意が必要なケガであり、その状態で運動を続けることは絶対に避けなければなりません。
しかし、私は長年の臨床経験から、「腰に痛みが出た」という時点で、すでに身体は限界に近い悲鳴を上げている、と考えています。
実は、分離症のような深刻なケガに至る前には、必ず「前触れ」となるサインが身体の別の場所に出ています。 その代表的なものが、原因不明の下肢の痛みや、スネの前(前脛骨筋)の異常な疲れ・だるさです。
これは、背骨(脊柱)の柔軟性が失われ、腰から足へとつながる神経が引っ張られることで、下肢の筋肉に異常な緊張を引き起こしているサインなのです。 つまり、腰痛は突然起こるのではなく、見過ごされてきた下半身の不調の、最終的な「結果」なのです。
当院の検査と見立て:痛みの本当の原因は「身体の硬さ」と「隠れた負担」です
当院では「10の姿勢分析」を通して、痛みの本当の原因を客観的に見つけ出します。 腰痛を訴えるお子様にほぼ共通して見られるのが、極端な身体の硬さと、それに伴う隠れた負担です。
検査をすると、腰椎の特定の場所に鋭い痛みを訴える圧痛点が見つかります。これは、骨折には至っていなくても、すでに腰椎に相当な負担がかかっている証拠です。 しかし、お子様本人は、この腰椎の圧痛よりも、むしろ「スネの張りやだるさ」の方を強く感じているケースがほとんどです。
身体が硬い状態で運動を続けると、腰椎には常に「軋轢(きしれき)」が生じ、疲労骨折のリスクが非常に高まります。 つまり、オスグッド病と同じく、腰痛という「結果」ができた組織そのものではなく、その結果を生み出してしまった身体全体の「硬さ」と「使い方」こそが、あなたの痛みの本当の原因なのです。
症例レポート:当院の分析とアプローチ
- 【患者様の背景】
- プロフィール: 10代男性。小さい頃から運動を続けている。
- 自覚症状: 日頃から、下肢がむくんだり、重く、だるい、痛いといった症状がよく起こるが、「練習のせいだ」と当たり前に感じていた。
- 【主なお悩み】
- 痛みの性質: 腰を反らすと痛む。悪化すると、座っているだけでも痛むようになる。
- 親御様の不安: 「このまま運動を続けてもいいのか?」「深刻なケガにつながるのではないか?」
- 【当院での検査・分析】
- 問診・視診: いつから、どうすると痛むのかを慎重に確認。視診で、下肢のむくみや身体の歪みをチェックします。
- 触診・可動域検査: 腰椎の圧痛点、各関節の動きを確認。腰が悪いお子様は、連動して肩の動きも悪くなっていることがほとんどです。
- 分析結果: このケースでは、座るとすぐに腰が丸まってしまう姿勢が見られました。これは、神経の緊張(突っ張り)により、腰を伸ばした姿勢を保てなくなっているサインです。この状態で上半身を無理に反らすことで、腰椎に骨折しやすい強いストレスがかかっていました。

- 【具体的なアプローチ】
- 【改善への道のり】
- 初回の変化: 初期段階の腰痛であれば、安静と適切な施術、そして運動指導により、3〜4週間で改善が見られます。
- 根本改善へ: 当院では、痛みの解消だけでなく、予防を重視しています。身体の歪みを改善し、正しい柔軟性を身につけることで、再発を防ぎ、スポーツのパフォーマンス向上にも大きく貢献します。
まとめ:「成長」を、痛みの言い訳にしないでください
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
中学生の腰痛は、決して「単なる疲労」と軽視してはいけません。それは、お子様の身体が発する、分離症やすべり症へとつながる重要な初期症状です。
病院で「安静に」と指示され、痛みが消えれば、治ったと錯覚してしまいがちです。しかし、根本的な身体の硬さや使い方が変わらなければ、運動を再開すれば必ず同じ場所に負担がかかり、今度こそ深刻な骨折を引き起こしかねません。
大切なのは、「分離症が腰痛の原因」なのではなく、「分離症になるほど、腰に負担がかかり続けていた」という事実にお子様自身が気づくことです。
スポーツは、心と身体を成長させるために、そして何より楽しむためにあるものです。 一日でも早くお子様を痛みから解放し、適切な身体の使い方を身につけ、本当の意味での成長をサポートしませんか。その一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。