関節には動く関節と支える関節の2タイプがあり、この働きにより状態をうまく保っていると考えます。この状態が崩れることで関節周囲に痛みを伴います。
当院独自に動く関節と支える関節と表現しています。
関節には二軸や多軸などの関節の種類がありますが、これだけではどちらに問題が起こりやすいかは分かりにくいです。解剖学的な解釈にはそのようなものがあると参考にして下さい。
動く関節(痛みやすい)と支える関節(痛みを感じにくい)は基本的には交互に重なり相互作用を作っています。
痛みやすい動く関節について
特徴
動く関節は字の通り良く動く関節です。複雑な動きが可能な関節で、動かしやすいために重要視される事が多いです。逆によく動くために可動範囲を超えた動きになりやすいために痛みを伴いやすいと言えます。
- 足関節
- 股関節
- 腰椎
- 頸椎
- 肩関節
- 手関節
- 拇指
など
痛みを感じにくい支える関節について
特徴支える関節は元々可動域が狭かったり、動きが単純である関節です。これらの関節は身体を支える為に動きにくく、痛みも感じにくいように神経や血管などに摩擦が生じないような作りになっています。
- リスフラン関節
- 膝関節
- 仙腸関節
- 胸椎
- 肩鎖関節
- 肘関節
- 指節間関節
など
あれ?と感じる関節もあると思いますが、基本的には交互に重なりあっています。
- リスフラン関節
- 足関節
- 膝関節
- 股関節
- 仙腸関節
- 腰椎
- 胸椎
- 頸椎
- 肩鎖関節
- 肩関節
- 肘関節
- 手関節
- 中手指節関節
- 指節間関節
実はこの関節が当院の施術方法が効果的な理由のひとつになります。
支える関節に問題が起こることで動く関節に影響を与える
1例
股関節など動く関節の動きが悪い場合には、実は動く関節よりも支える支点となる関節に問題があると考えます。
重要痛い関節が悪いわけではなく、痛みを伴っている原因には支える関節に問題が起こり動く関節に負担がかかり痛みを伴っている事が多いです。

多くの方は痛い部位が悪いと思い来院されますが、痛い関節が悪いケースは少なく、大抵の場合には痛みを感じにくい支える関節に問題が起こり動く関節が動き過ぎることで過度に負担が生じ痛みを伴っています。
支え(縁の下の力持ち)が重要で、支えることが出来なければうまく動かす事が出来なくなります。しかし、支える関節は痛みを感じにくく作られている為に、悪くなっていても実際に痛みを感じるのは動く関節の方となります。
なので、腰痛の多くは腰椎を支える仙腸関節や膝関節に問題があり、膝に痛みを起こす場合には、支える関節となる膝が動く作用を強いられるために痛みを伴います。
動く関節と支える関節には相互の関係があり、身体の状態を維持していると考えられます。
この考えから、もし自身が今痛みを感じている関節があれば、その関節が支える関節であれば、動く関節の問題を考え、その関節が動く関節であれば、支える関節の問題を考える必要があります。
