大腿骨外側上顆付近の疼痛を発症する病態であり, 長距離ランナーでの過労性障害として重要
靭帯の中でも最長といわれる腸脛靱帯ですが、骨盤の腸骨稜から下腿骨の脛骨外側に付着します。
腸脛靱帯は, 膝関節屈曲30°以上で大腿骨外側上顆の前方に, 30°未満で後方に位置する. 繰り返しの曲げ伸ばしにより摩擦が生じ, 炎症が発症するといわれている。
しかしながら, 摩擦による腸脛靱帯自体の炎症を認めず, 腸脛靱帯と大腿骨外側上顆間の滑液包の炎症や滑膜炎との報告もある. このため, 腸脛靱帯炎は「大腿骨外側上顆付近の疼痛を発症する病態」として考えられています。
腸脛靱帯炎は靭帯そのものの炎症ではなく、主に外側に好発する滑膜炎や筋腱の炎症の可能性の方が高いです。
腸脛靱帯を緩めるストレッチやマッサージも大事ですが、良質な血液を送りこみ炎症の抑制と組織の修復を行う事を最優先させるべきです。
痛みを伴う場所は大抵の場合は血行不良を起こし腫れやうっ血を起こしています。血管が収縮し新鮮な血液が途絶えている為に、痛みが慢性化している可能性があります。

玄海田公園で行ったストレッチセミナー
ランナー膝の痛みの部位
ランナー膝はランニングにおける膝関節におこる痛みの総称
- 腸脛靱帯炎
- 膝蓋大腿疼痛症候群
などの疾患名があります。
主に膝の外側の痛みやお皿の下に痛みを伴うものをランナー膝としています。